ドメイン変更を伴うWordPressサイトの移行・引越し手順まとめ

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この記事の監修者・著者

Web制作歴29年。Webプロデューサー、Webマーケター、Webディレクター、Webデザイナー、Webエンジニアなど、様々なポジションでWeb制作に携わってきました。

主宰するホームページ作成教室には全国から受講生が集まっています。

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はじめに:サイトのお引越しは「段取り」が9割

Webサイトの運営を続けていると、「サーバーの表示速度を上げたい」「リブランディングでURL(ドメイン)を一新したい」といった理由や、「やむを得ず」「余儀なくされて」、サイトの引越しが必要になるタイミングがやってきます。

しかし、「サーバーが変わる」かつ「ドメインも変わる」 という引越しは、単なるデータのコピー&ペーストでは済みません。

この記事では、失敗が許されないサイト移行の手順を、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。

特に、便利な「移行プラグイン」の比較や、多くの人がつまずく「データベースの書き換え」、そして引越し後の「転送設定(リダイレクト)」までを網羅しました。

これを読めば、不測の事態に焦る可能性が低く、スムーズな移行ができるはずです。

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まずはリスクを知ろう(転ばぬ先の杖)

作業を始める前に、「何が失敗の原因になるのか」を知っておくことが成功への近道です。ドメイン変更を伴う移行には、主に4つのリスクがあります。

1.SEO・アクセスの激減

  • 何が起きる?
    検索順位が落ちたり、Google検索からアクセスした人が「ページが見つかりません(404エラー)」になったりします。
  • なぜ?
    Googleは「旧ドメイン」と「新ドメイン」を別のサイトとして扱います。適切な「転送届(301リダイレクト)」を出さないと、これまでの評価がリセットされてしまうからです。

2.データが壊れる・表示崩れ

  • 何が起きる?
    サイトのデザインが崩れたり、管理画面に入れなくなったりします。
  • なぜ?
    WordPressのデータベース内にあるURLの書き換えに失敗したときに起こります(詳しくは後述の「シリアライズ」の章で解説します)。

3.メールが届かなくなる

  • 何が起きる?
    お問い合わせメールや、取引先とのメール送受信ができなくなります。
  • なぜ?
    サーバーの切り替え(DNS変更)は、Webサイトだけでなくメールの通り道にも影響するためです。

4.セキュリティ警告が出る

  • 何が起きる?
    サイトを開いたときに「この接続は安全ではありません」と表示されてしまいます。
  • なぜ?
    新しいサーバーでのSSL(鍵マーク)設定が間に合っていない、または画像リンクなどが古いままになっていることが原因です。

おすすめの移行プラグイン3選と選び方

WordPressの引越しを助けてくれる「プラグイン」はたくさんありますが、ドメイン変更を伴う場合に重要なのは、「データベース内のURLを自動で書き換えてくれるか」という点です。

ここでは、人気の3つのプラグイン(All-in-One WP Migration, WPvivid, UpdraftPlus)を比較し、それぞれの特徴と選び方をご紹介します。

プラグインの機能比較

特徴 / プラグインAll-in-One WP MigrationWPvivid Backup & MigrationUpdraftPlus
使いやすさ★★☆(制限あり)★★★(高機能・簡単)★★★(堅実・確実)
ドメイン置換自動(インポート時に書き換え)自動(転送時に書き換え)対応(復元時のチェックボックスで可能)
無料版の容量厳しい制限あり(通常512MB以下)制限なし(大容量でもOK)制限なし(保存先に依存)
サーバー間転送ファイルをダウンロード→アップロード直接転送(キー認証で楽々)Dropboxなどを経由、または手動アップロード
おすすめな人超小規模サイトの人サイト規模が大きく、コストを抑えたい人バックアップも兼ねて堅実に移行したい人

All-in-One WP Migration:小規模サイト向け

  • どんなプラグイン?
    世界中で使われている有名なプラグインです。操作はシンプルですが、無料版には「ファイルサイズ制限(多くの場合512MB)」という大きな壁があります。
  • 注意点
    画像が多いサイトだとすぐに上限を超えてしまい、有料版(エクステンション)の購入が必要になるケースが多いです。また、サーバー環境によってはインポートが途中で止まるトラブルも比較的多く報告されています。そのため、使いやすさの評価は★2としています。

WPvivid Backup & Migration:無料で最強の選択肢

  • どんなプラグイン?
    最近人気急上昇中のプラグインです。最大の特徴は、無料版でもデータ容量の制限がないこと。そして、古いサイトと新しいサイトを「認証キー」でつなぎ、ファイルを直接転送してくれる「自動移行機能」が非常に便利です。
  • おすすめポイント
    ファイルを一度パソコンにダウンロードして、またアップロードするという手間がありません。ドメイン変更時のURL書き換えも自動で行ってくれるため、コストパフォーマンスと機能のバランスが最も良いツールと言えます。

UpdraftPlus:信頼のバックアップ&移行ツール

  • どんなプラグイン?
    バックアップ用として非常に信頼性が高いプラグインですが、実は無料版でもしっかりとした「移行(引越し)」が可能です。
  • おすすめのポイント(最新情報)
    以前は「無料版ではドメイン置換ができない」と言われることがありましたが、現在のバージョンでは、復元(リストア)のプロセスの中で「データベース内の検索と置換」を実行する機能が備わっています。 これにより、別のプラグインを使わなくても、UpdraftPlus単体でドメイン変更を伴う移行を完結させることができます。

データベース移行の落とし穴「シリアライズ」とは?

ドメイン変更を伴う引越しで、もっとも失敗しやすいのがデータベースの書き換えです。「テキストエディタで一括置換すればいいのでは?」と思うかもしれませんが、WordPressではそれが命取りになります。

なぜ単純な置換ではダメなのか

WordPressは、テーマの設定やウィジェットの情報などを「シリアライズ(直列化)」という特殊な形式で保存しています。

イメージで説明すると

データの中に「データの長さ(文字数)」も一緒に記録されているのです。

例えば、http://old.com というデータは、「14文字のデータですよ」という情報と共に保存されています。

これを無理やり https://new-domain.com(22文字)に書き換えるとどうなるでしょうか?

中身は変わったのに、管理情報は「14文字ですよ」というまま残ってしまいます。すると、WordPressは「文字数が合わない!データが壊れている!」と判断し、その設定を読み込むのをやめてしまいます。

これが、「移行したらウィジェットが全部消えた」「メニューが壊れた」というトラブルの正体です。

今回紹介するプラグインなら大丈夫

ご安心ください。今回ご紹介している3つのプラグイン(All-in-One、WPvivid、UpdraftPlus)は、いずれもこの「シリアライズ」を考慮した正しい書き換えを行ってくれます。

WPvividを使った自動移行(おすすめ!)

最もコストパフォーマンスが高く、サーバー間のデータ転送も自動で行ってくれる「WPvivid」を使った手順です。

ステップ1:新環境の準備(新サーバー)

  1. 新しいサーバーでWordPressを新規インストールします。
  2. 新旧両方のWordPressに、プラグイン「WPvivid Backup & Migration」をインストールして有効化します。

ステップ2:認証キーの発行

  • 新サイト(移行先)のWPvividメニューから「Key」タブを開きます。
  • 有効期限(例:8時間)を選び、「Generate」ボタンをクリックします。
  • 表示された長い英数字の「認証キー」をコピーします。

ステップ3:転送と復元(旧サイト→新サイト)

  • 旧サイト(移行元)のWPvividメニューから「Auto-Migration」タブを開きます。
  • コピーしたキーを貼り付け、「Save」をクリックします。
  • 接続が成功したら、「Clone then Transfer」ボタンをクリックします。これでバックアップと転送が始まります。
  • 転送完了後、新サイトの管理画面に戻り、「Backup & Restore」タブを確認します。「Received Backup(受信したバックアップ)」にデータが届いているはずです。
  • 「Restore」ボタンを押し、完了を待ちます。
  • 処理完了後、自動的にログアウトされます。ログインIDとパスワードは「旧サイトのもの」でログインしてください。

UpdraftPlusを使った手動移行

UpdraftPlusを使って、ドメイン変更を伴う引越しを行う手順です。手動といっても作業はシンプルです。

ステップ1:バックアップとダウンロード(旧サイト)

  • 旧サイトのUpdraftPlusで「今すぐバックアップ」をクリックします。
  • バックアップが完了したら、「データベース」「プラグイン」「テーマ」「アップロード」「その他」の5つのボタンをそれぞれクリックし、「お使いのコンピュータにダウンロード」を選択して、ファイルをPCに保存します。

ステップ2:アップロード(新サイト)

  • 新サイトにWordPressとUpdraftPlusをインストールします。
  • 「既存のバックアップ」セクションにある「バックアップファイルをアップロード」をクリックします。
  • 先ほどPCに保存した5つのファイル(zipファイル)をドラッグ&ドロップします。

ステップ3:復元とドメイン置換(最重要!)

  • アップロードが終わるとバックアップ一覧に表示されるので、「復元(Restore)」ボタンを押します。
  • 復元するコンポーネント(プラグイン、テーマ、アップロード、その他、データベース)すべてにチェックを入れます。
  • 「次へ」に進むと、「データベース内のサイトロケーションを検索・置換する(Search and replace site location in the database)」 という項目が表示されます(※環境によって文言が英語の場合があります)。
  • 必ずこの項目にチェックが入っていることを確認してください。
    これが「旧ドメイン」を「新ドメイン」に書き換えるためのスイッチです。通常は、ドメインが違うことを検知して自動でチェックが入りますが、念の為確認しましょう。
  • 「復元」を実行します。これで、データが戻ると同時に、サイト内のURLも新しいドメイン用に書き換わります。

All-in-One WP Migrationを使った手順

サイトの容量が小さく(512MB以下)、手軽に済ませたい場合の手順です。

ステップ1:エクスポート(旧サイト)

  • 旧サイトの管理画面から「All-in-One WP Migration」→「エクスポート」をクリックします。
  • 無料版を使う場合、ここで「検索と置換」の設定は不要です(インポート時に自動で判定されます)。
  • 「エクスポート先」をクリックし、「ファイル」を選択します。
  • しばらく待つと「DOWNLOAD [サイト名]」というボタンが表示されるので、クリックして.wpressという拡張子のファイルをPCに保存します。

ステップ2:インポート(新サイト)

  • 新サイトにWordPressをインストールし、同じく「All-in-One WP Migration」プラグインを入れます。
  • メニューの「インポート」をクリックします。
  • 画面中央のエリアに、先ほど保存した.wpressファイルをドラッグ&ドロップします。
  • 成功する場合: 緑色のバーが進み、「インポート処理により、データベース、メディア、プラグイン、テーマを含むサイトのデータが上書きされます」という警告が出ます。「開始」をクリックして進めてください。
  • 失敗する場合(容量オーバー): 「ファイルサイズが最大アップロードサイズを超過しています」と出た場合、無料版の制限(多くの場合512MB)を超えています。この場合、以下のいずれかの対応が必要です。
    対応策A: サーバーの設定(php.iniなど)を変更して上限を上げる(中級者向け)。
    対応策B: 素直に有料のエクステンション(Unlimited Extension)を購入する。
    対応策C: このプラグインを諦め、容量無制限のWPvividでやり直す。

仕上げ(パーマリンク設定)

  • インポートが完了したら、「完了」をクリックします。
  • 管理画面の「設定」→「パーマリンク設定」を開きます(ここでログインを求められたら、旧サイトのIDとパスワードでログインしてください)。
  • 何も設定を変更せずに、画面下の「変更を保存」ボタンを2回クリックしてください。
    1回目で.htaccessファイルが更新され、2回目で確認が行われます。これをしないと、下層ページが404エラー(ページが見つかりません)になることがあります。

SEO評価を引き継ぐ「301リダイレクト」

「ドメインパワー」や「被リンク」の評価を新しいドメインに引き継ぐために、必ず301リダイレクト(恒久的な転送)を設定しましょう。

トップページだけ転送するのではなく、「旧サイトの記事A」は「新サイトの記事A」へ、「旧サイトの記事B」は「新サイトの記事B」へ、とページ単位で転送するのが基本です。

サーバーの設定ファイル(.htaccess)を使う場合

旧サーバーが使えるなら、.htaccessというファイルに転送の命令文を書くことでリダイレクトできます。

ファイルを見つける

  • 旧サーバーの管理画面の「ファイルマネージャー」か、FTPソフトを使ってサーバーに接続します。
  • 旧ドメインのpublic_html や www といった一番上のフォルダを開きます。
  • .htaccess というファイルを探します。

301リダイレクトの転送設定を書き込む

.htaccess ファイルを編集モードで開き、一番上の行に以下のコードをコピー&ペーストします。

  • old-domain\.com → あなたの 旧ドメイン に書き換えてください(ドットの前の \ は消さないでください)。
    旧ドメインがsub.old-domain.jpの場合は、sub\.old-domain\.jp となります。
  • new-domain.com → あなたの 新ドメイン に書き換えてください。

<IfModule mod_rewrite.c>
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^(www\.)?old-domain\.com$ [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://new-domain.com/$1
</IfModule>

Cloudflareを使う場合

通常、301リダイレクト(恒久的な転送)を行うには「旧ドメイン用のサーバー」を契約し続ける必要がありますが、「Cloudflare(クラウドフレア)」 という無料サービスを使うと、旧サーバーを解約しても転送だけを無料で維持できます。

Cloudflareは、インターネット上の「交通整理人」のようなものです。あなたの旧ドメインをCloudflareに預けることで、サイトの301リダイレクト(恒久的な転送)だけでなく、メールの転送も行えます。

少し設定が難しいですが、サーバー代が浮くのでやる価値は十分にあります!

ステップ1:Cloudflareに登録し、ドメインを追加

  • Cloudflareの公式サイトで無料アカウントを作成します。
  • ログイン後、「サイトを追加」をクリックし、「旧ドメイン(old-domain.com)」 を入力します。
  • プラン選択画面で、一番下の「Free(無料)」を選択します。
  • Cloudflareが現在のDNSレコードをスキャンします。そのまま「続行」を押します。

ステップ2:ネームサーバーの変更

  • Cloudflareから「ネームサーバーをこれに変更してください」という指示が表示されます(例:bob.ns.cloudflare.com)。
  • 旧ドメインを取得した管理画面(お名前.comやXserverドメインなど)にログインします。
  • ネームサーバー設定画面で、Cloudflareから指定された2つのアドレスに変更します。
  • Cloudflareの画面に戻り、「ネームサーバーを確認しました」となるまで待ちます(数分〜数時間かかります)。

ステップ3:ダミーのDNSレコードを設定

サーバーを解約すると、ドメインの「行き先」がなくなってしまいます。Cloudflareを動かすために、あえて「ダミーの行き先」を設定します。

  • Cloudflareの「DNS」→「レコード」メニューを開きます。
  • 既存のAレコードがあれば削除し、以下の内容で新規追加します。
    • タイプA
    • 名前@(ルートドメイン)
    • IPv4アドレス192.0.2.1(これは「どこにも繋がらない」という特別なダミー用アドレスです)
    • プロキシステータス「プロキシ済み(オレンジ色の雲アイコン)」 になっていることを確認(重要!)
  • 同様に www についても追加します(名前: www, アドレス: 192.0.2.1)。

ステップ4:転送ルール(Redirect Rules)の作成

ここが「転送」のキモです。

  • 左メニューの「ルール」→「リダイレクト ルール」をクリックします。
  • 「ルールを作成」ボタンを押します。
  • 以下のように設定します。
    • ルール名: 任意の名前(例:新ドメインへ転送)
    • 一致する場合: 「すべての受信リクエスト(All incoming requests)」を選択。
    • URLリダイレクト:
      • タイプ: 「動的(Dynamic)」
      • 式: concat("https://new-domain.com", http.request.uri.path)
        • ※ new-domain.com はあなたの新ドメインに書き換えてください。
        • ※ この呪文のような式は、「旧ドメインのどのページに来ても、新ドメインの同じページに転送する」という意味です。
    • ステータスコード301
    • クエリ文字列を保持する: チェックを入れる。
  • 「デプロイ(保存)」をクリックします。

これで、旧サーバーを解約しても、旧ドメインへのアクセスは全て新ドメインへ転送されるようになります!

ステップ5:メール転送の設定(Email Routing)

最後に、旧ドメインのメールを使用していた場合は、転送設定します。

  • 左メニューの「メールアドレス」→「Email Routing」をクリックします。
  • 「使用を開始する」をクリック。
  • 転送先のアドレス(例:info@new-domain.com や個人のGmail)を入力し、認証メールを受け取って承認します。
  • 「カスタムアドレス」で、転送したい旧メールアドレス(例:info@old-domain.com)を作成し、先ほどの転送先と紐付けます。
  • 必要なDNSレコードを自動追加するよう促されるので、「レコードを追加して有効化」をクリックします。

これで、「サーバー代ゼロ」 で、「サイトへのアクセス転送」 と 「メールの転送」 の両方が完了しました。あとは旧ドメインの更新料(年額1,000円〜)を払い続けるだけで、SEO評価と顧客との連絡を維持できます。

移行後のチェックリスト

最後に以下の項目をチェックして完了です。

  • Googleアナリティクスの設定変更
    プロパティ設定でURLを新ドメインに変更します。GA4(最新版)ではデータストリームの設定を確認しましょう。
  • Googleサーチコンソール
    新ドメインを登録します。
    旧ドメインの画面にある「アドレス変更ツール」を使って、Googleに「サイトを引越しました」と通知します。これがSEO評価の継承を早めるコツです。
  • 表示確認
    トップページだけでなく、下層ページも正しく表示されるか?
    スマホで見たときに崩れていないか?
    SSL(鍵マーク)はちゃんとついているか?

まとめ

ドメイン変更を伴うWordPressの移行は、いくつもの技術が絡み合う複雑なパズルです。

  • 完全無料で大容量サイトを移すなら: WPvivid
  • バックアップ運用とセットで堅実に移すなら: UpdraftPlus
  • サイトが小規模でシンプルさを重視するなら: All-in-One WP Migration

万全の準備をして、新しいドメインでの再スタートを成功させてくださいね!