格安ホームページ制作とは?得する人と損する人に分かれる理由

はじめに

ホームページ制作 格安」や「ホームページ作成 格安」といったキーワードで検索すると、驚くほど多くの制作会社やサービスがヒットします。初期費用0円・格安プラン・月額数千円のみで運用可能・集客力あり・SEOで上位表示…など、魅力的な宣伝文句を目にすると、「私も安くホームページを作りたい!」と考えるのはごく自然な流れかもしれません。

しかし、ホームページ制作においては安さが正義では決してありません。もちろん格安サービスがピッタリ合うケースもありますが、実際には成果や効果、機能面やサポート面、将来の拡張性などで不満を抱え、「こんなはずじゃなかった」と感じる方が多いのも事実です。

本記事では、格安ホームページ制作で得をする人・損をする人の違いを明確に徹底解説していきます。

あなたが本当に格安制作サービスでホームページを作るべきかどうか、じっくり検討する材料にしていただければ幸いです。

格安ホームページ制作とは

いわゆる「格安ホームページ制作」と呼ばれるサービスは、各社が工夫を凝らして「お得感」を演出していますが、大きく分けて2つの代表的なパターンに分けることができます。

初期費用が格安で月額費用を支払っていくプラン

Web制作会社が提供するプランで、初期費用を安く設定し、その代わりに保守費用・管理費という名目で月額費用を継続して払うタイプです。

  • 初期費用が0円~10万円程度なら「格安ホームページ制作」と呼ばれることが多いです。
  • 例)初期費用55,000円で月額費用5,500円、初期費用0円で月額費用11,000円など。
  • 最低契約期間が数年単位で定められている場合もあり、途中解約で違約金が発生するケースがあります。
  • 月額費用にサーバー利用料やドメイン費用が含まれる場合もありますが、デザインカスタマイズやページ追加、掲載内容の変更に別途オプション費用がかかることもしばしば。

「初期費用を抑えられる」というメリットが分かりやすい反面、長期的に支払う月額費用が思いのほか高額になり、数年トータルで見ると割高になることも珍しくありません。また「SEO対策込み」「集客力あり」と謳っていても、実際は最低限の対策(不十分な対策)しかできないケースが多い点にも注意が必要です。

単純に制作料金が格安なプラン

Web制作会社やフリーランスのWebデザイナーが「低価格で作成できます」とアピールしているタイプです。

  • 制作料金が20万円以下なら、「格安ホームページ制作」と呼ばれることが多いです。
  • 例)「簡単ホームページ制作プラン 10万円」「お手軽ベーシックプラン 15万円」など。
  • 納品後の保守やサポート、改修などは別料金となる場合が多いです。

制作段階で費用をグッと抑えられるのが魅力ですが、必要なページ数が増えたり、機能追加・デザイン変更、SEO対策を希望すると別途見積もりが跳ね上がることもしばしば。「最小限のテンプレートにはめてホームページを一括納品」という流れが一般的なので、運用開始後にどこまでサポートしてもらえるかも事前にチェックしておく必要があります。

「格安ホームページ制作」とひとくちに言っても、その内訳やサポート体制、契約条件は多種多様です。単に「安い!」というイメージだけで飛びつく前に、トータルでいくら支払いが必要か何年縛りか追加オプションや拡張性はどうなっているかを必ず確認しましょう。

格安ホームページ制作サービスが人気の理由

では、なぜ「ホームページ制作 格安」「ホームページ作成 格安」といったキーワードが、ここまで多く検索されるのでしょうか。その背景には、以下のような理由が考えられます。

やっぱり安く作れた方が得だと思っている

多くの方にとって、ホームページの制作は初めての体験です。「とりあえず安く作れたら得なんじゃないか」と考えるのは、ごくごく自然な流れです。

創業間もない中小企業や個人事業主、資金力が限られたお店などは「少しでも安く作れたらありがたい」と考えるのも非常に理解できます。

実際、業界相場としては「テンプレート使用で30万円~50万円」「オリジナルデザインで50万円~100万円以上」という感じでしょうか。こうした相場と比べると、数万円や20万円以下で作れる格安プランは魅力的に映ると思います。

とにかくホームページさえ作れば良いと思っている

ホームページに詳しくない方は、「ホームページさえ作ればお客さんが来る」「ホームページさえ作ればお問い合わせが来る」と思っている人が多いです。

また、「ホームページがないのはさすがにマズい」「自社サイトが無いと取引先に信用されない気がする」「とりあえず名刺代わりにURLが欲しい」といった理由から、最低限の外向けの体裁を整えたいという動機の方もいます。

こうした考えの方々にとっては、制作料金が安ければ安いほど良く、格安プランは魅力的に映ると思います。

なんだかんだそれなりの成果は出ると思っている

「格安プランでも、プロが作るならそこそこ綺麗なサイトになるだろうし、少しは宣伝効果もあるはず!」という期待感も人気の理由です。

実際、ある程度見た目も整っていて、外から見れば“ちゃんとしたホームページ”が完成するので、成果や効果もありそうと楽観的に考えてしまうようです。

また、格安ホームページ制作サービスの「高い集客力」「SEOで検索上位表示」などの宣伝文句を鵜呑みにして、漠然と成果が出るものだと思い込んでしまう方も多いみたいです。

格安ホームページ制作を選んで得をする人

ここからは、「格安ホームページ制作」を選んでも失敗しにくい、むしろメリットを得やすいパターンを具体例とともに紹介します。

簡単な情報を掲載しておくだけのホームページを作りたい人

  • 会社や店舗の基本情報・連絡先・簡単なサービスメニューのみを掲載しておきたい。
  • ホームページは自社名や店舗名で検索されたときに表示されれば十分。
  • 主に名刺・ショップカードに記載のURLや、InstagramなどのSNS経由で見てもらえればOK。
  • ホームページに集客やお問い合わせ獲得などの成果を求めていない

例えば・・・

  • BtoBの専門的かつ特殊な商品を扱う会社(直接営業がメイン)
  • 地域の飲食店やサロン、整骨院(既にリピーター中心の来店が安定している)

こうした場合は、シンプルな「店舗・会社紹介サイト」を格安で作っておいて、必要最低限の情報を載せるだけで十分目的を果たせます。

“とりあえず”のホームページが至急必要な人

  • 短期間でパッと公式ページを立ち上げたい
  • 起業や開業、イベントや新規事業のローンチなど、期限が迫っていてスピード優先
  • 外部ECサイトやSNS、他のPR手段が既にメインで、ホームページ自体に集客力は求めていない
  • 簡単な情報とお問い合わせフォーム程度があれば十分機能する

例えば・・・

  • 起業時の会社ホームページ(法人登記したばかりで名刺や対外的な体裁として必要)
  • イベントやキャンペーン情報サイト(短期的に必要な案内ページ・申し込みフォームだけを作りたい)

こうした場合は、「ある程度見た目が整ったホームページを1週間で用意したい!」といったニーズに、テンプレートに情報を流し込むだけといった格安ホームページ制作が大いに役立ちます。

格安ホームページ制作を選んで損をする人

逆に、格安ホームページ制作を選んだことで後悔するパターンも多数存在します。むしろこちらのケースの方が多く見受けられます。もしあなたが以下の項目に当てはまるなら、注意が必要です。

ホームページに成果を求めている人

ホームページを通じて新規顧客を獲得したい、SEOで検索上位表示を狙って見込み客を集客したい、問い合わせをしてもらいたい、セールスページとして売上アップに繋げたい…といった成果を期待するなら、格安ホームページ制作では十分なSEO対策やマーケティング施策ができません

宣伝文句に「高い集客力」「SEOで検索上位表示」と書いてあったから大丈夫と鵜呑みにしてしまうと、大きな落とし穴になるケースが多いです。せっかく作ったホームページを誰にも見てもらえない、月額費用を払い続けても成果が全くないままということも珍しくありません。

SEOは内部施策(制作時の簡単な対策)だけで上手くいくほど簡単ではありません。継続的なコンテンツやページの追加、ブログ記事の投稿、外部施策など総合的な取り組みが必要ですが、格安ホームページ制作のホームページではページ数が制限されていたり、掲載できるコンテンツの内容や量がテンプレートで決まっていたり、ブログ機能がそもそも無かったりして、実施が困難な場合が多いです。

ホームページに機能や役割を求めている人

EC機能や予約システム、会員制コンテンツ、少し複雑なお問い合わせフォーム、チャットサポート、営業日カレンダーなど、ホームページに業務サポート的な機能や役割を持たせたい人も要注意です。

格安ホームページ制作では、テンプレートに含まれる標準機能以外はほぼ対応不可か、高額オプションとなる場合が多いです。

格安ホームページ制作で実現できるのは、簡単な情報掲載とシンプルなお問い合わせフォームぐらいだと思っておいた方が良いです。

ホームページに自由度や拡張性を求めている人

事業拡大やサービス追加に伴ってページを増やしたい、定期的にデザインやレイアウトを変更したい、ブログを追加してコンテンツマーケティングを始めたいなど、ホームーページの運用中に様々な要望が出てきます。

ところが、格安ホームページ制作のプラン制限が壁となり、やりたいことが増えた、機能を追加したいと思っても、システム的にできないまたは追加費用が高額といった事態が起こり、何も変更できない場合が多いです。

格安ホームページ制作は、使い回しが前提の汎用的なテンプレート設計で自由度が低く、デザイン変更やレイアウト変更、特別なページの追加など、後から変更や調整することが難しいことが原因です。

ホームページにオリジナルデザインを求めている人

ブランド訴求が大事なビジネスやクリエイティブ系ビジネスなど、独自の世界観やブランドイメージを表現したい方には向いていません。

格安ホームページ制作ではテンプレートを選んで写真やテキストを入れ替えるのみが基本で、細かなデザインカスタマイズは別料金か、そもそも対応不可です。

格安ホームページ制作だから安っぽいデザインになる、ダサいデザインになるという訳ではありませんが、よくあるデザイン、他の人と同じデザインになってしまうことは避けられません。

長期運用を考えている人

初期費用が安くても、ランニングコスト(保守費用や管理費)が高い場合が多いです。「初期費用0円」というキャッチコピーに惹かれて契約したら、毎月の管理費やサポート費が思いのほか高く、2~3年使ったらトータルで数十万円になっていた…ということもよくあります。

しかも最低契約期間が長ければ長いほど、解約することもできず、合計のコストが膨れ上がる場合も。途中解約の違約金を考えると「このまま使い続けるしかない」と半ばあきらめざるを得ない状況に陥ることも。

誰にも見てもらえない成果が全くないまま機能を追加することもできずページを追加することもできず何の役にも立たない、ただ支払いを続けるだけのホームページはお荷物以外の何ものでもありません。

サポートを受けたい人

格安ホームページ制作プランでは「とにかくホームページを作って納品完了」「制作から納品まででサービス終了」という形で、その後のサポートは最小限というケースが多いです。

専門的なマーケティングアドバイスやSEOコンサルを期待しても、格安プランには含まれませんし、別途高額な料金を支払ったところで専門家でもないので、有益なサポートは期待できません。

保守費用・管理費という名目で月額費用を支払っているので、サポートを受けられると勘違いする場合も多いですが、これはサーバーやドメインの費用やサーバーやドメインの保守管理の費用である場合が多いです。

ホームページ制作の第一歩にしたい人

格安ホームページ制作で作ったホームページは、クローズドな環境になっていることが多く、自分では何も変更できない、もしくは、テキストや写真のみしか変更できないことが多いです。

そのため、一般的なWordPressやHTML・CSSの基礎が身につきません。「WordPressの勉強をしながら自分でコンテンツを追加していきたい」「ホームページ運営を通じてスキルアップしたい」と考えている方にも、格安プランは不向きです。

格安ホームページ制作で損する人が多い理由

前述のとおり、格安プランには数々の制限や潜在的リスクがあります。実際に「安いと聞いて契約したが、結果的に損をした」という声が多いのは、以下の要因が重なっているためです。

  • 格安ホームページ制作プランの本質
    テンプレートを流用し、最低限の作業だけを行うため、カスタマイズや拡張の融通が利かない。制作会社側も利益を確保するには、追加オプションや長期契約で費用を回収する必要がある。
  • 「ホームページを作ること」自体が目的化
    多くの人が「ホームページをとりあえず作ろう」と深く考えずに作ろうとする。作った後の運用や集客設計を考えずに契約してしまい、後から思っていた以上の不便さに気づく。
  • 宣伝文句を額面通りに受け取ってしまう
    「高い集客力」「SEOで検索上位表示」「安心のサポート」などのフレーズに飛びつくが、実際には最低限の対策やサポートしかない、あるいは追加で費用がかかるなどのケースがある。
  • 目先の費用削減だけに注目
    ホームページの本質的な役割は、集客・信用構築・ブランド発信を継続的に行うこと。しかし「安く作ればよい」と目先の費用だけ考えてしまい、長期的に必要な機能やサポートを軽視している。

結果として、格安プランで満足できる人は非常に限定的で、多くのビジネスオーナーは「もっとこうしたい」「ここを変えたい」という要望が出てきて、追加費用が嵩むか、別の制作会社やサービスに移り、一から作り直すことになってしまいます。

まとめ

「格安ホームページ制作で得をする人、損をする人」の典型例や注意点を解説してきました。「ホームページ制作 格安」「ホームページ作成 格安」などで検索し、少しでも費用を抑えられれば…と思うのは自然なこと。しかし、ホームページの本来の役割を考えると、単に“作るだけ”では成果が得られない場面が多いのもまた事実です。

もしあなたが、ホームページを使って売上アップや問い合わせ増加などの成果を得たいと考えているなら、初期費用の安さだけで決めるのはリスクが高すぎます。実際に運用し始めてから「あれも足りない、これも足りない」「どうすることもできない」と思っても手遅れです。

逆に、「本当に最低限の情報を掲載するだけ」「短期プロジェクトで使うだけ」という場合には、格安ホームページ制作も選択肢の一つとなり得ます。

重要なのはあなたの目的と状況に合ったサービスかどうかを見極めること。安さだけを理由に飛びつくのではなく、長期的な視点将来の拡張まで考えて判断してください。

「やっぱり格安ホームページは制約が多そう…」「とはいえ高額な制作費も出せないし…」そんな方には、WordPressやStudio、Wix、Jimdoといったツールを使ったホームページ作りがおすすめです。

いっそのこと、自分でホームページを作ってしまう、というのも手です。検討してみてください。