【バックアップが命綱】Webサイトのトラブル、まずはバックアップデータからリストアできないか確認しよう!

トラブル発生時の命綱はバックアップ SOSブログ

Webサイトを運営しているあなたへ。

突然ですが、もし明日、あなたのサイトが真っ白になったり、めちゃくちゃに表示が崩れてしまったら…どうしますか?

「そんなまさか」と思いますか?でも、サイト運営には予期せぬトラブルがつきものなんです。

この記事では、そんな「まさか」の事態に備えるための、いわばデジタルな保険である「バックアップ」について、徹底的に解説していきます。

この記事を読み終える頃には、あなたもバックアップの重要性を理解し、自分のサイトに最適な方法で「安心」を手に入れられるはずです!

  1. なぜバックアップは「命綱」なのか?あなたのサイトを襲う突然の悲劇
    1. あなたのサイトにも起こりうる、よくあるトラブル事例
    2. バックアップがないと、本当に失うもの
    3. 現代の「お守り」、それが自動バックアップ
  2. まずはここから!頼れる相棒、レンタルサーバーの自動バックアップ機能
    1. エックスサーバー (Xserver):何もしなくても安心!
    2. mixhost:災害にも強い!鉄壁の守り
    3. さくらインターネット:自分で設定する「SnapUp」システム
    4. ロリポップ!:無料と有料、選べる安心
    5. その他の人気サーバーはどう?
    6. レンタルサーバーのバックアップ機能、比べてみると…
  3. もっと自由に、もっと確実に!WordPressバックアッププラグイン
    1. All-in-One WP Migration:サイトのお引越しは得意!でも普段使いには注意点も
    2. WPvivid Backup Plugin:無料でここまで!?
    3. その他のおすすめプラグインもチェック!
    4. WordPressバックアッププラグイン(無料版)を比べてみよう!
  4. サーバー?プラグイン?どっちがいいの?答えは「両方」です!
    1. 「お任せで楽ちん」 vs 「自分でしっかり管理」
    2. ここが違う!サーバーとプラグインの比較ポイント
    3. 「ハイブリッドアプローチ」という考え方
  5. プロが実践する、鉄壁のバックアップ戦略
    1. バックアップの黄金律「3-2-1ルール」を知ろう!
    2. なぜ「別の場所」に置くことがそんなに大事なのか?
    3. バックアップは「復元テスト」をするまでがワンセット!
  6. この記事のまとめ

なぜバックアップは「命綱」なのか?あなたのサイトを襲う突然の悲劇

Webサイトのバックアップと聞くと、少し面倒な技術的な作業に感じるかもしれません。

でも、これは単なる作業ではなく、あなたのビジネスや大切なコンテンツを守るための、いわば「事業継続計画(BCP)」の心臓部なんです。

バックアップは「万が一の備え」というより、「いつか必ず起こる何かのための備え」と考えるのが正解です。

あなたのサイトにも起こりうる、よくあるトラブル事例

Webサイトが消えてしまう原因は、ハッキングのようなドラマチックなものだけではありません。実は、もっと身近なところに危険は潜んでいます。

  • うっかりミス(人為的ミス)
    これが一番多い原因です。「大事なファイルを間違えて消しちゃった!」「設定をいじったら、元に戻せなくなった…」なんて経験、ありませんか?
  • ソフトウェア更新の失敗
    特にWordPressを使っているとよくあるのが、テーマやプラグインを更新した瞬間に画面が真っ白になったり、レイアウトが崩れたりする悲劇。便利なツールも、時には牙を剥きます。
  • サイバー攻撃
    「ハッキング」と一括りにできないほど、攻撃は巧妙になっています。サイトのデータを人質に身代金を要求する「ランサムウェア」や、データを完全に破壊する「ワイパー型マルウェア」など、悪質な攻撃は後を絶ちません。こんな時、別の場所に保管したバックアップだけが頼みの綱になります。
  • サーバー自体のトラブル
    あなたが使っているレンタルサーバーのハードウェア(HDD/SSD)が物理的に壊れたり、サーバー会社で障害が発生したりすることも。また、「サーバーやドメインの更新料を払い忘れちゃった…」という、意外と多いミスでデータが消えてしまうこともあります。

バックアップがないと、本当に失うもの

もしバックアップがない状態でサイトが壊れたら、どうなるでしょう?

ただサイトが見えなくなるだけでは済みません。

  • ビジネスがストップする
    ネットショップなら商品が売れなくなり、お問い合わせフォームが機能しなければ、新しいお客様を逃してしまいます。
  • 信頼を失う
    「あのサイト、いつも見れないな」と思われたら、お客様の信頼はガタ落ち。検索エンジンからの評価も下がり、検索結果に表示されにくくなってしまいます。
  • 莫大な復旧コスト
    バックアップがあれば数クリックで元通りにできるかもしれませんが、ゼロからサイトを作り直すとなると、時間もお金も膨大にかかります。その間の売上ゼロという損失も大きいですよね。
  • 法的な問題に発展することも
    お客様の個人情報やデータを扱っているサイトなら、データが消えてしまうことで法的な責任を問われる可能性もあります。

現代の「お守り」、それが自動バックアップ

これらの怖いリスクからあなたのサイトを守る、最も効果的で簡単な方法が自動バックアップです。

手動でバックアップするのは、ついつい忘れがち。でも自動バックアップなら、一度設定してしまえば、あとはシステムが毎日コツコツとあなたのサイトのコピーを取っておいてくれます。

これこそが、安心してサイト運営に集中するための、最高の「お守り」なんです。

まずはここから!頼れる相棒、レンタルサーバーの自動バックアップ機能

多くのレンタルサーバーには、標準で自動バックアップ機能がついています。これはあなたのサイトを守るための最初の防衛ライン。

でも、「無料の自動バックアップ」と一口に言っても、サーバー会社によってサービス内容は全然違います。その違いを知ることが、賢いサーバー選びの第一歩です。

エックスサーバー (Xserver):何もしなくても安心!

  • すごいところ
    契約したその日から、特別な設定をしなくても毎日自動でサイト(Web・メール)とデータベースのバックアップを取ってくれます。まさに「お任せで安心」の代表格です。
  • 保存期間
    過去14日分のデータがしっかり保存されているので、1週間前の状態に戻したい、なんて時も大丈夫。
  • 復元のしやすさ
    管理画面(サーバーパネル)から、カレンダーで日付を選ぶような感覚で簡単に復元できます。サイト全体はもちろん、特定のデータベースだけ元に戻す、なんてことも可能です。※操作は簡単ですが、復元に時間はかかります
  • データのダウンロードも可能
    復元するだけでなく、指定した日のバックアップデータを自分のパソコンにダウンロードして保管しておくことも、必要なデータだけ取り出すこともできます。
  • 知っておきたいこと
    とても便利な機能ですが、「100%のデータ保全を保証するものではない」と公式にアナウンスされています。また、非常に大きなデータベースなどは対象外になる場合もあるので、過信は禁物です。

mixhost:災害にも強い!鉄壁の守り

  • すごいところ
    mixhostも全プランで無料の自動バックアップに対応。最大の特徴は、バックアップデータをサイトがあるサーバーとは別の場所にあるサーバーに保管してくれること。これにより、万が一本番サーバーに大きな障害が起きても、バックアップデータは安全です。
  • 保存期間
    こちらも過去14日分のデータを保持してくれます。
  • 復元のしやすさ
    cPanelという管理画面から「JetBackup」というツールを使って、サイト全体からファイル1個単位まで、かなり細かく復元作業ができます。
  • WordPress専用バックアップも
    サーバー全体のバックアップとは別に、WordPressの管理機能からサイト単位で手動バックアップを取ることも可能。アップデート前などに使えば、二重に安心ですね。
  • 知っておきたいこと
    サイト全体の復元作業中は、サイト表示やメールの送受信が一時的にできなくなります。データベースを復元すると今のデータは上書きされてしまうので、作業前に手動でバックアップを取っておくとより安全です。

さくらインターネット:自分で設定する「SnapUp」システム

  • すごいところ
    スタンダードプラン以上なら、「バックアップ&ステージング(SnapUp)」という高機能なシステムが無料で使えます。
  • 最大の特徴
    この機能は、自分で「使います!」と設定しないと有効になりません。管理画面からスケジュールを設定して初めて、自動バックアップが開始されます。
  • 保存期間と世代
    最大で8世代(8個)分のバックアップ(スナップショット)を保存できます。毎日バックアップするように設定すれば、実質8日分ですね。9個目が作られると一番古いものが消えていきます。
  • 復元のしやすさ
    SnapUpの管理画面から、戻したいバックアップを選んで「リリース」ボタンを押すだけで復元できます 28
  • 便利な「ステージング機能」
    バックアップデータを使って、ワンクリックでテスト環境を作れます。プラグインの更新やデザイン変更を、公開中のサイトに影響を与えずに試せるので、とっても便利です。
  • 知っておきたいこと
    バックアップ対象はサイトの主要な部分(/wwwディレクトリとWordPressデータベース)のみ。そして何より、最初の設定を忘れるとバックアップは一切取られないので注意が必要です。

ロリポップ!:無料と有料、選べる安心

2つのバックアッププラン

ロリポップ!には2種類のバックアップ機能があります。

  • 無料自動バックアップ
    ハイスピードプラン以上なら標準でついてきます。毎日自動でバックアップが作成されます。以前は復元に11,000円かかりましたが、今は手数料無料で復元できます! ただし、自分で復元はできず、サポートに依頼する必要があります。
  • 有料「7世代バックアップ」
    全プランで使える月額オプション(330円~)。これを契約すれば、自分で好きな時にバックアップを取ったり、スケジュールを組んだり、そして何より自分で即時に復元できるようになります。
  • 知っておきたいこと
    無料版はサポート依頼が必要なので、緊急時に復元に時間がかかる可能性があります。有料オプションはとても便利ですが、月々のコストがかかる点を考慮しましょう。

その他の人気サーバーはどう?

  • ConoHa WING
    エックスサーバーとほぼ同じ。全プランで過去14日分の無料自動バックアップが標準装備で、管理画面から簡単に復元できます。
  • お名前.com:
    レンタルサーバーRSプランでは、こちらも過去14日間の無料自動バックアップを提供しています。
  • ヘテムル
    無料の自動バックアップはありますが、復元するのに1回5,500円の手数料がかかる点に注意が必要です。ロリポップ!と同じく、自分で自由に操作できる有料オプションもあります。
  • シン・レンタルサーバー
    エックスサーバーの兄弟サービスだけあって、同じく高性能な14日間無料自動バックアップ・復元システムを備えています。

レンタルサーバーのバックアップ機能、比べてみると…

サーバー名機能名利用料金設定要否バックアップ頻度保持期間/世代数復元方法復元手数料ポイント
エックスサーバー自動バックアップ無料不要(自動有効)毎日1回過去14日分サーバーパネルから自己復元無料とにかく簡単で高機能!初心者にもおすすめ。
mixhost自動バックアップ (JetBackup)無料不要(自動有効)毎日1回過去14日分cPanelから自己復元無料別のサーバーに保管してくれるので安心感が違う。
さくらインターネットバックアップ&ステージング (SnapUp)無料必要(ユーザー設定)毎日/毎週(設定可)最大8世代SnapUp管理画面から自己復元無料テスト環境も作れる!でも設定忘れに注意。
ロリポップ!(無料)自動バックアップ無料不要(自動有効)毎日1回不明(過去数日分)サポートに依頼無料ハイスピードプラン以上なら無料。復元は依頼制。
ロリポップ!(有料)7世代バックアップ月額330円~必要(ユーザー設定)任意設定可最大7世代専用画面から自己復元無料全プランで利用可能。自分で即時復元できる。
ヘテムル (参考)自動バックアップ無料不要(自動有効)毎日1回Web:7日/DB:14日サポートに依頼5,500円/回復元が有料なので、いざという時にコストがかかる。
ConoHa WING (参考)自動バックアップ無料不要(自動有効)毎日1回過去14日分コントロールパネルから自己復元無料エックスサーバー並みの使いやすさ。

この表を見ると、「無料自動バックアップ」という言葉だけでは、その実態はわからないことがよくわかりますね。

エックスサーバーやmixhostのように、無料で何でもできるサービスもあれば、さくらのように自分で設定が必要だったり、ヘテムルのように復元が有料だったり。

この違いが、いざという時の対応スピードとコストに直結するので、サーバー選びの際はぜひチェックしてください。

もっと自由に、もっと確実に!WordPressバックアッププラグイン

レンタルサーバーのバックアップは心強い味方ですが、「もっと細かく設定したい」「サーバー会社に縛られたくない」というあなたには、WordPressプラグインの活用がおすすめです。

プラグインを使えば、バックアップ戦略をさらにレベルアップさせることができます!

All-in-One WP Migration:サイトのお引越しは得意!でも普段使いには注意点も

  • 得意なこと
    もともとはサイトのお引越し(移行)のために作られたプラグイン。サイトの全てを一つのファイルにまとめて、新しい場所に持っていく作業が驚くほど簡単にできます。
  • 無料版でできること
    サイトのデータを一つのファイルとして書き出す(エクスポート)ことには、容量制限がありません。つまり、バックアップファイルを作って自分のPCに保存しておくことは可能です。
  • 最大の弱点
    無料版では、復元(インポート)できるファイルサイズに上限があります。無料版では512MB以下で、これより大きいサイトは復元できません。復元できないバックアップは意味がないので、これは大きなデメリットです。
  • どうすればいい?
    有料の拡張機能(Unlimited Extension, $69)を購入します。
    復元が必要になった際に購入するという考えもありです。
  • おすすめの使い方
    小さなサイトのバックアップや、サイト移行作業に使うのがベスト。

WPvivid Backup Plugin:無料でここまで!?

  • 得意なこと
    バックアップ、サイト移行、テスト環境作成までこなす、オールインワンなプラグインです。
  • 容量制限なし!
    All-in-One WP Migrationと違い、無料版でもバックアップや復元のファイルサイズに一切制限がありません。これが最大の強みです。
  • クラウドに自動保存
    Google DriveやDropboxといった外部のクラウドストレージに、自動でバックアップを保存する機能が無料で使えます。これは他のプラグインでは有料なことが多い、非常にお得な機能です。
  • スケジュール設定も自由
    毎日、毎週、毎月など、好きなタイミングで自動バックアップを設定できます。
  • 無料版の制限
    保存しておけるバックアップの数に制限があったり、一部の高度な機能(増分バックアップなど)は有料版のみとなります。
  • おすすめの使い方
    ほとんどのサイト運営者にとって、定期的で安全な自動バックアップ体制を築くのに最適なプラグインです。無料で使えるバックアッププラグインの中では、間違いなくトップクラスの性能と言えるでしょう。

その他のおすすめプラグインもチェック!

  • UpdraftPlus
    WPvividと並んで、世界中で使われている超人気のプラグインです。WPvividと同じく、スケジュール設定と外部クラウドへの自動バックアップが無料でできます。バックアップの保存先に指定できる外部ストレージは1つだけ。また、バックアップの時間を細かく指定することはできません。サイト移行機能も有料です。
  • BackWPup
    昔からある、信頼と実績のプラグインです。データベースだけ、画像ファイルだけ、といったように細かく指定してバックアップジョブを作ることができます。復元作業がワンクリックではなく、少し手作業が必要です。また、サーバーの性能によっては、大きなサイトのバックアップに失敗することもあります。

WordPressバックアッププラグイン(無料版)を比べてみよう!

プラグイン名バックアップ/復元サイズ制限自動スケジュール外部ストレージ連携ワンクリック復元サイト移行/複製こんな人におすすめ
All-in-One WP Migrationインポート時512MB以下✕ (有料)✕ (有料)◎ (最適)サイトの引越しをしたい人、小さなサイトの運営者
WPvivid Backup Plugin制限なし◯ (Google Drive, Dropbox等)ほとんどすべての人!特に無料で高機能な自動バックアップをしたい人
UpdraftPlus制限なし◯ (1箇所のみ)✕ (有料)定期的な自動バックアップをシンプルに設定したい人
BackWPup制限なし✕ (有料)△ (手動作業あり)△ (手動作業あり)バックアップ内容を細かくカスタマイズしたい上級者

こうして見ると、無料プラグインにもそれぞれ得意なことがあるのがわかりますね。

「All-in-One WP Migration」はサイト移行のプロですが、日常のバックアップには弱点があります。一方で「WPvivid」や「UpdraftPlus」は、日々のサイトを守るための堅実なパートナーです。

バックアップに求めるもの(一度きりの引越しか、毎日の安心か)によって、選ぶべきプラグインは変わってきます。

サーバー?プラグイン?どっちがいいの?答えは「両方」です!

「結局、サーバーのバックアップとプラグインのバックアップ、どっちを使えばいいの?」と迷ってしまいますよね。

この問いの答えは「どちらか一方」ではなく、「両方を賢く使い分ける」のが正解なんです。

それぞれの長所と短所を知って、最強のバックアップ体制を築きましょう!

「お任せで楽ちん」 vs 「自分でしっかり管理」

  • サーバーバックアップ(お任せで楽ちん)
    一番のメリットは、とにかく手軽なこと。サーバー会社が全部やってくれるので、あなたがプラグインを入れたり設定したりする必要はありません。WordPressの管理画面にすら入れないほどサイトが壊れてしまった時でも、サーバー側から復元できるので、まさに「最後の砦」です。
  • プラグインバックアップ(自分でしっかり管理)
    こちらは、バックアップする内容、頻度、保存場所まで、すべて自分でコントロールできるのが魅力。サーバーの「1日1回」よりも細かくバックアップを取ったり、Google Driveのようなサーバーとは全く別の場所にデータを保管したりできます。サーバーを乗り換える時も、プラグインのバックアップデータがあれば引越しがスムーズです。

ここが違う!サーバーとプラグインの比較ポイント

  • 信頼性
    サーバーバックアップは、サーバー全体を丸ごとコピーするようなイメージなので、一般的にとても信頼性が高いです。※一部のファイルが対象外になることもあります。
    プラグインはWordPressの中で動くので、サーバーの性能が低いとエラーが起きる可能性もゼロではありません。
  • データの保管場所
    サーバーバックアップは、当然ながらサーバー会社の中にデータが置かれます。もしサーバー会社全体で大規模な障害が起きたら、サイトとバックアップが同時に失われるリスクがあります。
    プラグインを使って、全く関係ないクラウドストレージにデータを置いておくことは、このリスクを避けるために非常に重要です。
  • 復元のしやすさ
    サイトが完全にダウンしてしまった時は、サーバーバックアップからの復元一択になることが多いです。逆に、サイトは動くけど一部のデータだけおかしくなった、というような場合は、プラグインからサクッと復元する方が早い場合が多いです。
  • データの「引越しやすさ」
    プラグインで作ったバックアップは、どこのサーバーにでも持っていける「ポータブル」なデータです。
    サーバーのバックアップは、そのサーバー会社専用の形式なので、他の会社に持っていくことはできません。

「ハイブリッドアプローチ」という考え方

結論として、一番安全なのは、サーバーとプラグインの両方を使う「ハイブリッドアプローチ」です。これは、お互いの弱点を補い合う、まさに最強の布陣。

サーバーバックアップは、サイトが完全に動かなくなるような壊滅的なトラブルやプラグインでバックが取れてなかった場合に対する「最後の保険」。

プラグインバックアップは、サーバー会社に依存せず、データを安全な外部に保管しておくための「避難計画」。

この2つを組み合わせることで、ほとんどのトラブルに対応できる、非常に強固な防御体制が完成します。

具体的な戦略プラン

  1. 基本の守り
    エックスサーバーなどの、信頼できる自動バックアップ機能付きのレンタルサーバーを選ぶ。これは、普段の「お守り」として頼りにします。
  2. 追加の守り
    WordPressに「WPvivid」のようなプラグインを入れ、週に1回、Google Driveなどの外部クラウドストレージに自動でバックアップするように設定する。

この二段構えの戦略で、手軽さと安全性、そして自由度のすべてを手に入れることができるのです。

プロが実践する、鉄壁のバックアップ戦略

基本のバックアップ体制が整ったら、もう一歩進んで、プロレベルの鉄壁の守りを構築しましょう。
これは、単にデータをコピーするだけでなく、あなたのビジネスを絶対に止めないための「生きた」システム作りです。

バックアップの黄金律「3-2-1ルール」を知ろう!

データ保護の世界には、「3-2-1ルール」という有名な黄金律があります。これをあなたのWebサイトに当てはめてみましょう。

「3」つのデータコピーを持つ

  • 今公開しているサイトのデータ(オリジナル)
  • レンタルサーバーの自動バックアップ(1つ目のコピー)
  • プラグインで外部クラウドに保存したバックアップ(2つ目のコピー)

「2」つの異なる種類の場所に保存する

  • レンタルサーバーのストレージ(場所の種類1)
  • Google Driveなどのクラウドストレージ(場所の種類2)

「1」つは物理的に離れた場所(オフサイト)に保管する

プラグインで外部クラウドに保存したデータは、自動的にこの条件を満たしてくれます。

先ほど紹介した「ハイブリッドアプローチ」は、この黄金ルールを自然と満たす、非常に理にかなった戦略なのです。

なぜ「別の場所」に置くことがそんなに大事なのか?

すべてのバックアップデータを、サイトと同じサーバーに置いておくのは、家の鍵を玄関のドアノブにかけっぱなしにする」のと同じくらい危険です。

もしサーバーが物理的に壊れたり、悪質なランサムウェア攻撃でサイトとサーバー内のバックアップが同時に暗号化されてしまったら、すべてを失ってしまいます。

この最悪の事態を避けるためにも、バックアップはサイトとは物理的にもネットワーク的にも完全に切り離された場所に保管することが絶対条件。

プラグインを使って外部のクラウドストレージに保存するのは、この条件をクリアする最も簡単で効果的な方法です。

バックアップは「復元テスト」をするまでがワンセット!

バックアップ戦略で、多くの人が見落としがちな最も重要なステップ。それが「復元テスト」です。バックアップファイルは、実際に元に戻せることが確認できて初めて、本当に価値があるものになります。

バックアップが、気づかないうちに失敗していたり、ファイルが壊れていたりする可能性はゼロではありません。いざという時に「バックアップが使えなかった…」というのが、一番悲惨なシナリオです。

今すぐできるアクションプラン

3ヶ月に1回、あるいは半年に1回でもいいので、定期的に復元テスト、いわば「避難訓練」を計画しましょう。

本番環境ではなく、別にテスト環境を作ってバックアップを復元してみて、サイトがきちんと表示されるか、機能するかを確認します。

この一手間が、あなたの「安心」を本物に変えてくれます。

この記事のまとめ

この記事では、Webサイト運営におけるバックアップの重要性から、具体的なツールの比較、そしてプロが実践する戦略までを詳しく見てきました。

バックアップは、もはや単なる技術的な作業ではありません。それは、あなたのビジネスや大切なコンテンツを、予測不可能な未来のリスクから守り、「いつでもやり直せる力(回復力)」に変えるための、重要な経営判断なのです。

  • バックアップは必須
    うっかりミスからサイバー攻撃まで、サイトを脅かす危険はすぐそこに。自動バックアップは必須です。
  • 「無料」の言葉に惑わされない
    レンタルサーバーの「無料自動バックアップ」は、会社によってサービス内容が大きく異なります。復元のしやすさや手数料の有無をしっかり確認しましょう。
  • プラグインで自由と安全を
    WordPressプラグインを使えば、サーバー会社に縛られず、より安全な外部へのバックアップが可能です。「WPvivid」のような高機能な無料プラグインは、使わない手はありません。
  • 最強の布陣は「ハイブリッド」
    サーバーの「手軽さ」とプラグインの「自由度」を組み合わせる「ハイブリッドアプローチ」が、最も確実で安心な方法です。

あなたのWebサイトは、大切な資産です。しかし、適切な守りがなければ、それは非常にもろい存在でもあります。

この記事で紹介したバックアップ戦略を実践することで、そのもろさを強固な「回復力」に変えることができます。

それは、いざという時に「大丈夫、またここから始められる」という自信と安心を手に入れること。プロフェッショナルなサイト運営は、その土台の上に成り立っているのです。