「Web系オンラインスクールってこんなもの? ものすごく後悔」
これは、実際にネットに投稿されていたタイトルです。
読んでいくと、こういう不満が書かれていました。質問してもテンプレート回答が返ってくるだけ。自分の作りたいものとカリキュラムが噛み合わない。進捗を誰も見ていない。
動画教材を買った人の声にも、似たものがたくさんあります。
「動画を見ても手が動かない」「分かった気になるけど、自分で作れない」「結局、何から始めればいいか分からないまま3ヶ月経った」。
はっきり言うと、動画教材が悪いわけじゃありません。効く人と効かない人が分かれるだけです。
動画教材が効く人
動画教材が効く人には、共通点があります。
すでにベースの知識がある人。
HTMLとCSSが何か、だいたい分かっている。WordPressを触ったことがある。エラーが出ても、検索すればだいたい解決できる。そういう人にとっては、動画教材は「知識の穴を埋める」道具として機能します。
もう一つ。自走できる人。
動画を見て、止めて、手を動かして、エラーが出て、自分で調べて、もう一度動画に戻る。このサイクルを一人で回し続けられるかどうか。回せるなら、動画教材のコスパはとても良いです。
この2つが揃っている人は、動画教材で十分だと思います。わざわざ高いお金を払って教室に通う必要はありません。独学かスクールかの判断基準も参考にしてみてください。
後悔の中身を分解します
問題は、ベース知識と自走力の2つが揃っていない人が、動画教材を選んでしまったときに起きます。
後悔の声を聞いていると、だいたい4つに分かれます。
1. 質問しても、返信が遅い。浅い。
チャットで質問を送る。返事が翌日か翌々日に来る。でも、テンプレートっぽい回答で、自分の状況に合っていない。追加で聞くとまた翌日。
画面を見せれば一瞬で分かることが、テキストのやり取りだと何日もかかる。この時間差の間に、やる気が消えていきます。
2. 自分の作りたいものに、答えてくれない。
カリキュラムは「サンプルサイトの作り方」で統一されています。だから「自分のお店のサイトを作りたいんですが、ここはどうすればいいですか」と聞くと、「カリキュラム外の質問です」と返ってくることがある。
教材としては正しい対応かもしれません。でも、受講している人は自分のサイトを作りたくて申し込んでいるんです。
3. 進捗を誰も見ていない。
動画教材は、見ても見なくても誰にも分かりません。2週間放置しても、催促は来ない。来ないのは自由ということでもありますが、挫折するのも自由ということです。
4. 教材が汎用的すぎる。
不特定多数に向けて作られた教材なので、全員に同じ順番、同じ内容で流れていきます。自分の目的に対して「これは必要ないんじゃないか」と思う部分が続くと、集中力が切れます。
4つの後悔に共通する構造
4つをもう一度見てください。
質問に答えてもらえない。自分の作りたいものに対応してくれない。誰も見ていない。内容が合わない。
全部、「相手を見ていない」に集約されます。
動画教材は、構造上、受講者一人ひとりを見ることができません。作る側が手を抜いているのではなくて、形式としてそうなっています。何千人、何万人に同じ教材を届ける設計です。一人ひとりの画面を見て、質問にその場で答えて、進捗を確認する——物理的に無理です。
だからこれは、動画教材の質の問題ではなく、形式の限界です。
「ベースの考え方」が伝わるかどうか
もう一つ、後悔の声を聞いていて気づくことがあります。
動画教材で教えてもらえるのは、たいてい「作り方」です。HTMLはこう書く。CSSはこう指定する。WordPressはここをクリックします。手順が順番に示されて、その通りにやれば、サンプルサイトが完成する。
でも、手順だけだと応用が利きません。
別のサイトを作ろうとしたときに、「あれ、このレイアウトはどうすればいいんだろう」と止まります。手順は覚えた。でも、その手順の裏にある考え方が入っていないから、少し条件が変わるともう動けなくなる。
私がレッスンで教えているのは、裏技でも小手先のテクニックでもありません。ベースとなる考え方をしっかり理解してもらうことが目的です。
「なぜそうするのか」「なぜこの順番なのか」「なぜこのやり方が有利なのか」——ここが入っていれば、自分で考えて動けるようになります。手順を忘れても、考え方があれば調べ方が分かるので。
そして、もう一つ。
ホームページの作り方と成果の出し方を、私は分けて教えていません。
世の中の教材は、作り方を教えるものと、マーケティングを教えるものが別々になっています。でも実際には、作り方の中に成果の視点が入っていないと、「きれいだけど問い合わせが来ないサイト」ができあがります。
だから、作り方を教えている最中に「なぜこのレイアウトにするのか」「なぜこの位置にボタンを置くのか」を一緒に伝えます。生徒さんは作り方を学んでいるだけのつもりでも、自然と成果につながる方法が身についていくはずです。
チャット質問と、画面を一緒に見ることの差
質問対応こそ、形式の違いが一番はっきり出る場面です。
たとえば「CSSが効かない」という質問。
チャットだと、まずスクリーンショットを撮ってもらって、コードを貼ってもらって、「何を試しましたか」と聞いて、返事を待って——何往復もかかります。
画面を一緒に見ていれば、5秒で分かります。
「あ、ここ、セレクタが違いますね」——それだけで解決することが、テキストだと3日かかる。
これは大げさな話ではなくて、実際のレッスンで毎回のように起きていることです。画面を共有しながら、生徒さんの手元を見て、「ここです」と指し示す。文字では伝わらない情報が、画面共有には詰まっています。
動画にはできなくて、リアルタイムにはできること
動画教材には「今週の現場」がありません。当たり前です。動画は録画された時点で止まっています。
でもWeb制作の世界は動いています。特にAIは、先月と今月で使い方が変わることがあります。AIを教える教室が少ない理由も、ここに関係しています。
リアルタイムのレッスンでは、教材の更新を待つ必要がありません。講師が今週やったこと、今週気づいたことが、そのまま次の週のレッスンに反映されます。
ストアカで115人に指導してきた経験から言うと、「1時間で大事なことだけ」を伝える力は、動画の尺ではなく、相手を見ているかどうかで決まります。
ここまで読んで「動画でよかったのでは」と思ったら
それも正しい判断です。
ベースの知識がある人。自走できる人。費用を最優先にしたい人。そういう方は、動画教材の方が合っています。
無理にマンツーマンレッスンを選ぶ必要はありません。
ただ、もし「動画を見ても手が動かない」「質問したいのに質問できない」「自分のサイトに合った答えが欲しい」——そういう状態にいるなら、それはあなたの能力の問題ではなく、形式が合っていないだけかもしれません。
私のレッスンは90分です
冒頭の10分は、私の1週間の話です。どんな仕事をして、AIをどう使って、何を作ったか。生徒さんからは「面白い」と言ってもらえています。ウォーミングアップも兼ねています。
次の10分は、生徒さんの1週間です。宿題の進捗、何を考えて、どう動いて、どこがうまくいって、どこがうまくいかなかったか。疑問はその場で解決します。
残りの60分が講座です。画面を共有して、生徒さんのペースと理解度に合わせて、たくさん会話をしながら進めます。
最後の10分で、宿題の説明と次回の日時を決めます。
この内訳は目安です。1週間の共有だけで盛り上がって40分くらいになることもあります。時間割通りに進めることが目的ではないので。
そして、レッスンは録画してアーカイブ動画としてお渡ししています。自分専用のレッスンの動画なので、後から見返して復習できます。動画教材のいいところは、ちゃんと残してあります。
マンツーマンが自分に合うか、確かめる方法はひとつだけです
記事を読んだだけでは分かりません。受けてみないと分かりません。
「自分の目的に合う学び方が分からない」という方は、何から学べばいい?——目的別の学習ルートも参考にしてください。
マンツーマンが合うか、動画で十分か。それを確かめることも、体験レッスンの使い方のひとつです。
