「働きながら独学で勉強しています。まだ入門編なのに、既に大丈夫か…?という感じで」
「教科書通りにはできるんですけど、それ以上のことができなくて…」
こういう声をよく聞きます。独学で始めた人が、どこかで必ず立ち止まる。
答えだけ先に。
作り方を覚えるだけなら、教室にお金をかける必要はないと思っています。
独学で十分です。無料の教材もたくさんあります。YouTubeにも本にも、丁寧に教えてくれるコンテンツは山ほどある。何十万円もかけなくても、作れるようにはなります。
自分の教室を運営している人間が言うことではないかもしれません。でも、これは本当にそう思っています。
独学で足りる人の条件
独学で足りる人には、共通する条件があります。
毎日1時間、学習の時間を確保できる。
独学には締め切りがありません。だから、自分で枠を作れる人でないと、ずるずると間隔が空いて、前回の続きが分からなくなります。
エラーが出ても、自力で調べ切れる。
検索して、公式ドキュメントを読んで、AIに聞いて、試して、違ったらまた調べる。この繰り返しを、一人でやり続けられるかどうか。
目的が明確で、自分で締め切りを作れる。
「3ヶ月後までに、このサイトを公開する」と決めて、逆算して動ける人。目的がぼんやりしていると、何を学べばいいかが定まらないので、情報を集め続けて止まります。
時間・調査力・締切の3つが揃っている人は、独学でいいと思います。教室に来る必要はありません。
独学が詰む構造は、3つです
では、独学で立ち止まっている人には何が起きているか。
独学が続かなくなるのは、あなたの根性の問題じゃないんです。詰む構造が3つあるんです。
1つ目。合っているか確認できない。
コードを書いた。動いた。でも、「これで合っているのか」が分からない。動いているのと、正しいのは、別の話です。
たとえばCSSを書いて、見た目はそれっぽくなった。でもスマホで見ると崩れている。直し方を調べて、なんとか直った。でも、そのやり方で本当によかったのか、もっと簡単な方法があったのか、プロはどうしているのか——確認してくれる人がいない。
この「合っているか分からない不安」は、蓄積します。1つなら我慢できても、10個溜まると手が止まります。
2つ目。順番を自分で決められない。
世の中の教材は、ほとんどが「1から順番に」並んでいます。HTMLの基礎、CSSの基礎、JavaScriptの基礎、そしてWordPress。きれいに積み上がっている。
でも、あの順番は「全員に同じ道を歩かせるための順番」であって、あなたの目的に合った順番ではないかもしれません。自分の店のサイトを作りたいだけの人にも、副業で受注したい人にも、同じ1ページ目から始めさせる。
だから途中で「これ、本当に自分に必要なのかな」と迷い始めるわけです。
3つ目。完成させる強制力がない。
独学で一番多いのが、「途中まで作って止まる」です。8割できた。でもあと2割が面倒で、別のことを始める。結局、完成したサイトが1つもない。
作り切った経験がないと、次に何かを作ろうとしたときにも「また途中で止まるのでは」という不安がつきまといます。
実は私自身、独学だけでは届かなかった
私はこの仕事を30年やっています。最初は完全に独学でした。大学生のとき、テキストエディタでHTMLを一つ一つ覚えながらサイトを作った。夢中でやっていたので、覚えるのに苦労した記憶はありません。
でも、あるときから独学では進めなくなりました。
サイバーエージェントに転職して、現場に入ったときのことです。それまでの自信が、粉々になりました。クライアントとの打ち合わせで話している内容が全然分からない。振られても答えられない。意見も言えない。何度も悔し涙を流しました。
そこから、先輩のやり方を教えてもらったり、先輩の過去の仕事を見ながらノウハウを盗んでいきました。勉強の日々でした。つらかったけど、楽しかった。1年くらいかかって、ようやく仕事ができるようになったと思います。
独学で「作れるようになる」ことはできます。でも、「現場で通用するレベル」に行くには、人から学ぶ局面が必要でした。少なくとも、私の場合はそうでした。
お金を払う価値は「時間」と「挫折しない環境」
独学とスクールの差は、「情報の質」ではないと思っています。
今は無料でも質の高い教材がたくさんあります。有料の教材だから良い、とは限らない。
差は、時間です。
独学で3時間かけて調べて解決することが、聞けば5分で終わる。その差が、週に何回も起きます。
金額で考えるのではなく、「何ヶ月早く目的に着けるか」で考えた方がいい。
半年かかることが3ヶ月で終わるなら、3ヶ月分の時間が手に入ります。その時間で、もう1つサイトを作れる。副業だって始められます。
そして、もう1つ。挫折確率が下がります。
独学の挫折率は、体感では8割を超えています。エラーで止まって、順番が分からなくなって、完成できない。教室に来る方の多くが、一度は独学で挫折した経験を持っています。一度挫折した方は、挫折した経験がある方へも読んでみてください。
挫折した人は、また始めるのに余計にエネルギーが要ります。だったら、最初から詰まらない環境で始めた方が、結果的に安上がりかもしれません。
スクールに行っても失敗するケース
公平に書きます。お金を払えば誰でもうまくいくわけではありません。
受け身で通うだけの人は、伸びません。
レッスンの時間だけ座って、言われたことだけやって、宿題はやらない。次の週にはリセットされている。これだと、独学より遅くなることすらあります。動画を見て学ぶタイプの教材については、動画型の後悔でも書いています。
それから、目的が曖昧なまま始める人も苦しくなります。「なんとなくスキルが欲しい」「将来役に立ちそう」——こういう動機だと、途中で「これ、自分に必要なのかな」と迷い始めます。独学で迷うのと、まったく同じ構造です。
お金を払えば解決する、という考え方は危険です。教室が提供できるのは「最短距離で進める環境」であって、歩くのは自分です。
独学とレッスンの併用という現実解
ここまで読んで、「じゃあ結局どうすればいいのか」と思っているかもしれません。
実は、どちらか一方ではなくて、併用するのが一番現実的です。
基礎的な部分は独学で進める。エラーや判断に迷ったときに聞ける相手がいる。完成させるまでのペースメーカーがいる。
独学の「自分のペースで進められる」という利点と、教室の「詰まったときに聞ける」「方向を修正してもらえる」という利点を、両方使う。
週1回のレッスンは90分。残りの6日間は、自分で手を動かす時間です。レッスンがあるかないかで、6日間の到達点が変わります。何をやればいいか分かっている状態と、分からないまま手探りで進める状態では、同じ6日間でも到達点が違うので。レッスン形式の違いについては、単発と継続の違いで書いています。
教室を比べるなら「成果まで教えるか」を見る
お金を払って学ぶなら、成果を出せるようになるべきだ——私はそう考えています。
作り方を覚えるだけなら、お金はかけなくていい。でも、作ったサイトで問い合わせが来るようにしたい、見てもらえるようにしたい、仕事として受注したい——そこまで目指すなら、独学では届きにくい領域があります。
教室を比べるときは、そこを確かめてみてください。作り方だけを教える教室なのか、成果を出せるところまで教える教室なのか。「作れるようになった」にも段階があります。詳しくはゴールの4段階で整理しています。
独学の限界に来ているなら
独学で足りるなら、独学で進めてください。そう申し上げます。
もし「合っているか確認できない」「順番が分からない」「完成できない」のどれかに引っかかっているなら、そこが独学の限界に来ているサインかもしれません。
独学で足りるかどうかから相談してください。足りるなら、そう申し上げます。
「自分の目的に合う学び方が分からない」という方は、何から学べばいい?——目的別の学習ルートも参考にしてください。
