ホームページ作成を依頼するときに知っておきたい問題・課題・リスクのすべて

監修・執筆者について

本記事の監修・執筆者のコナンです。学生時代からホームページ作成に携わり、現在まで28年間にわたってWeb制作・運用の現場にいます。
Webプロデューサー、Webディレクター、Webマーケター、Webデザイナーなど、多彩な役割を担いながら、エンタメ企業やレコードメーカー、広告代理店の社員として、さらには起業後の社長として、さまざまな制作会社やフリーランスのWebデザイナーに仕事を依頼したり、協業してきた実績があります。
こうした実体験を基に、ホームページ作成を依頼する際に起こりがちな問題やリスクを、余すところなくまとめました。

目次

はじめに

「自社の魅力を効果的に発信するためにホームページを作りたい」と考える企業や個人事業主は多いと思います。しかし、Web制作に携わった経験のない方にとっては、ホームページ作成を外部に依頼する際に潜む問題や課題、リスクを十分に把握していないことも少なくありません。

本記事では、ホームページ作成を外部に依頼するときに知っておきたい問題・課題・リスクを、徹底的かつ網羅的に取り上げ、可能な限り詳しく解説していきます。どのような制作会社に依頼するか、担当者とどんなやり取りをするか、契約内容や納品後の運用・保守についてなど、多岐にわたる要素を総合的に検討することが、ホームページ作成を成功させるカギです。

また、実際に「依頼して失敗してしまった」ケーススタディを5つご紹介し、リアルに起こりうるトラブルや後悔談も含めてまとめました。この記事を読めば、事前に押さえるべき注意点や対策、失敗を回避するためのポイントを一通り理解できるはずです。ぜひ最後までご覧いただき、あなたのビジネスに役立ててください。

制作者・制作会社のクオリティと信頼性に関するリスク

プロフェッショナル人材の不足

Web制作の世界は参入障壁が低く、PC一台あればフリーランスとして活動できることから、経験やスキルが浅い人でも「Web制作者」と名乗りやすいという特徴があります。大手の制作会社や有名制作会社に依頼したとしても、実際には下請け・孫請けに回されるケースがあるため、必ずしも「大手=高品質」とは限りません。

ピンキリの存在

制作実績を多数掲載している会社でも、実は「一部の優秀なクリエイターが手がけた案件しか公開していない」ということもあります。クオリティを見極めるためには、単に「どんなデザインができるか」だけでは不十分で、「担当者が誰なのか」「どうやってプロジェクトを進めるのか」を確認することが大切です。

▼知名度や規模は安心材料になりにくい

名前を聞いたことがある有名な制作会社でも、実作業を外部のフリーランスに依頼する場合があります。担当者レベルでしっかりコミュニケーションを取り、「この人なら信頼できる」という確証を得ることが不可欠といえるでしょう。

過去の実績が判断材料になりにくい

どの制作会社のWebサイトや提案資料を見ても、良い実績が中心に並んでいます。失敗事例やクレームが起きた案件を敢えて公開する会社はほぼありません。そのため、「自社に適したパートナーを選べているのか」を見極めるのは簡単ではないのが実情です。

▼「当たり」と「ハズレ」の担当者

同じ制作会社でも、担当デザイナーやディレクターのスキルに大きな差がある場合があります。華やかな制作実績があっても、それを手がけたのがトップクリエイターだけで、実際の案件担当者は新人や外注先である可能性も否定できません。

▼スキルセットの偏り

Web制作は、企画・構成・デザイン・コーディング・マーケティング・ライティング・SEO対策など、さまざまなスキルを必要とします。個人や小規模の制作会社では、どうしても得意分野・不得意分野に偏りが出やすいのが現実です。

  • 「デザインは得意だがマーケティングが苦手」
  • 「SEOの知見はあるが、クライアントとのコミュニケーションが下手」

といったケースも多いため、トータルで依頼先の強みを把握しておくことが望ましいでしょう。

コミュニケーション・進行管理の難しさ

意外と時間がかかる

制作会社に一任すればサクッとホームページが完成するイメージをお持ちの方もいますが、現実はそう簡単ではありません。サイトの構成、デザインのイメージ、修正の要望などを何度も打ち合わせで確認し合い、フィードバックを繰り返すうちに、想定より時間がかかってしまうことは珍しくありません。

▼制作期間は数ヶ月かかる場合が多い

これはあくまでも一般的な目安ですが、小規模サイト: 1~2か月、中規模サイト: 2~4か月、大規模サイト: 4か月以上などの制作期間がかかります。

要件の明確さ、デザインのこだわり度合い、クライアント側のリソースや意思決定のスピード、連絡・コミュニケーション手段、追加・変更要望制作会社の規模・チーム構成など、様々な要因で制作期間が決まります。

▼頻繁な打ち合わせ・修正指示

ちょっとした色の調整や文言変更でも、制作側からすると手戻りの工数がかさむ場合があります。「もう少しこうしてほしい」と細かな要望を伝えるほど、コミュニケーションの往復による時間ロスは増えていきます。

原稿・素材提供の手間

「プロに頼めば全部やってくれるはず」と期待するのは危険です。実際には、文章作成や写真撮影、イラスト作成、動画作成は別料金であることも多く、企業独自の強みを伝えたり、費用を抑えたりするためにクライアント自身が必要な資料やデータを手配・用意をしなくてはなりません。結果として時間と手間が予想以上にかかるケースがよくあります。

▼外部プロフェッショナルとの連携

コピーライター、カメラマン、映像制作者などの外部専門家との連携が必要となる場合もあります。その場合、各専門家との日程調整や打ち合わせに時間を要します。

▼結局クライアントが準備するものが多い

自社の製品やサービスを一番よく知っているのは自社スタッフです。制作会社だけにすべて任せると、情報不足で的外れなコンテンツになりがちです。そのため、クライアント側の原稿・素材提供はほぼ不可避と考えましょう。

納品物がイメージと違う

デザイナーとクライアントでは、言葉やイメージの捉え方が違うことがよくあります。初回デザイン案が上がってきた際、「なんだか違う」という印象を受けるのはよくある話です。

▼言葉やイメージの捉え方の違い

たとえば「シンプル」という言葉は、ある人には「スッキリしてかっこいい」という意味ですが、別の人には「物足りなくて味気ない」と感じられることもあります。また「モダン」は、新しく流行を取り入れているという印象がある一方で、かた苦しく見えてしまうことも。さらに「温かみのある」という表現は、具体的にどんな色やデザインが温かいのかを伝えなければ、みんなが違った印象を持ってしまうおそれがあります。

▼知り合いに頼んだ場合の言いづらさ

依頼先が知り合いや知り合いの紹介などの場合、「安くしてもらっているから文句を言いにくい」「無理を言って請けてもらったから修正をお願いしづらい」と感じてしまうと、不満点があってもそのまま進めてしまう場合が多いです。しかし、納品間際に「やっぱり直してほしい」と修正を依頼することになり、余計に時間がかかったり作業がバタついたりするケースもよくあります。伝えることを先延ばしすると、後々の修正対応が大きくなってしまうため、注意が必要です。

スケジュールの遅延

制作側の事情やクライアント側のレスポンスの遅れなど、さまざまな要因で納期がずれ込む可能性があります。もし他のプロモーション活動と連動してホームページ公開のスケジュールを組んでいる場合、遅延が発生するとビジネスに影響を与える危険があります。

契約・お金まわりのトラブル

不透明な料金体系

「総額○○万円」という見積もりを提示されても、その内訳が大まかすぎる場合は注意が必要です。ページ数や機能追加などで修正が発生すると、追加費用が次々に発生して結果的に高額請求に至るケースもあります。

▼追加作業費用の膨張

ページの追加や問い合わせフォームの増設など、小さな要望でも都度追加料金を請求されることがあります。事前に「ここまでは料金に含まれている」「ここから先は追加料金が発生する」という境界を明確に取り決めておくのが重要です。

▼追加作業費用を求められるよくある例

  • デザイン修正の依頼
    初回デザイン提出後に大幅な修正や再提案を求めると、1回あたり数万円~の追加料金が発生することがよくあります。
  • カスタム機能の実装
    予約システム、会員管理機能などの追加を求めた場合、別途料金が発生することが一般的です。
  • SEO対策
    初期見積もりにSEO対策が含まれていない場合、サイト内のコンテンツ調整、メタタグの設定、内部リンクの最適化などを追加で依頼すると、別途料金が発生することが一般的です。
  • レスポンシブデザインの微調整
    モバイル表示での細かな調整が、初期料金に含まれていない場合、追加の調整費用が発生することもあります。モバイル表示が疎かになっている場合が未だに多く、微調整が必要な場合も多いです。

更新費・保守費用の負担

公開後の運用・更新に関して、都度料金がかかる場合と定額の保守費がかかる場合があります。

更新費と追加料金

定額保守契約の場合でも「更新作業は月○まで」「更新作業は2時間まで」など、一定の制限が設けられていることが多く、その範囲を超える作業が必要になれば追加料金が発生します。一方、都度料金の場合は、更新の頻度が高いとそのたびに費用が請求され、結果的に非常に高額になってしまうリスクがあります。

サーバー・ドメイン費用の上乗せ

制作会社が用意したサーバー・ドメインを使うと、実費以上の金額を支払う必要がある場合が多いです。予算を圧縮したい場合は、自社で契約する方法も検討しましょう。実費は年額で15000円程度なのに、サポート費用を上乗せされ、10000円などを支払うことになる場合もあります。予算を圧縮したい場合は、自社で契約する方法も検討しましょう。

契約書・著作権・納品物の扱い

Webサイト制作では、デザインやコードの著作権が誰に帰属するのか、新規で取得を依頼したドメインがクライアント側の所有になっているかどうか、契約書で明確にしておかないと後々(解約時などに)トラブルになりかねません。納品データを自由に使えない、別のサーバーに移管できない、ドメインを引き続き利用できないといった制限が加わる場合もあります。

成果(目的達成)に繋がらないリスク

「ホームページを作れば売上が上がる」と思い込んでいると失敗しやすいです。

ホームページは、単におしゃれなデザイン、かっこいいデザイン、可愛いデザインに仕上げるだけでは十分な効果を得られません。ビジネスの目的を達成するためには、ビジネス戦略の設計が重要で、ユーザーの行動導線やマーケティング要素をきっちりと組み込む必要があります。

ところが、制作会社の中にはデザインやコーディングは得意でも、コンサルティングやマーケティング戦略を行わないところも多いため、せっかくホームページを作っても、成果に繋がらないリスクがあります。

戦略設計とコンサルティングの不備

ホームページ作成は、見た目の良いデザイン以上に、ビジネス戦略に基づいた設計が重要です。

  • 市場分析とターゲット設定の不足
    競合調査やターゲットユーザーの特性を踏まえた戦略設計がされていない場合、ホームページはただの情報発信ツールに留まり、具体的な成果(問い合わせ件数、販売数、リード獲得など)に結びつきません。
  • コンサルティングサポートの欠如
    制作段階からマーケティング、SEO、SNS連携などの視点を取り入れたアドバイスや提案がなければ、完成後の運用においても効果的な改善が期待できず、結果的にビジネス全体の成長を阻害する要因となります。

ユーザー行動導線とマーケティング要素の不備

見た目の良いデザインだけでは、ユーザーが次のアクションへと自然に進む導線が確保できません。

  • 行動導線の不備
    問い合わせや購入、資料請求などのアクションボタンが分かりにくかったり、適切な位置に配置されていないと、ユーザーが目的の行動を起こすことが難しくなります。
  • マーケティング要素の欠如
    ターゲットに響くキャッチコピーや魅力的なコンテンツ、説得力のあるストーリーが不足していると、ユーザーのエンゲージメントが低下し、最終的なコンバージョンに繋がりにくくなります。

アクセス解析や改善施策の欠如

ホームページは、公開後にGoogleアナリティクスやヒートマップツールなどでユーザー行動を詳細に分析し、データに基づいて改善策を実施することが本来の姿です。公開後の継続的な運用・改善が成果を左右します。運用を開始後に、想定通りにユーザーが動かず、初期の設計を見直す必要がある場合も多いです。

しかし、制作会社がこの分野で十分なノウハウを持っていなかったり、長期運用のプランがなかったり、納品後のサポートが一切なかったりすると、せっかく作ったホームページが「成果が出ないまま」放置されることになります。

セキュリティ・技術的なリスク

セキュリティの甘さ

WordPressやECサイトなどを構築する際、バージョンアップやプラグインのセキュリティ管理が重要です。これを怠るとサイトの改ざんや個人情報漏洩などの大きなトラブルにつながる恐れがあります。

バックアップ体制が不十分

サーバー障害などでデータが消失した場合、バックアップを取っていないと復旧が困難です。保守契約に「定期バックアップ」が含まれているかどうかもチェックしたいポイントです。

スマホ対応・ブラウザ対応の不備

いまや多くのユーザーがスマホでホームページを閲覧します。レスポンシブデザインが不十分だとレイアウト崩れや見づらさで離脱率が上がり、ビジネスチャンスの損失に直結します。レスポンシブ対応はしているものの、見にくい、使いづらいホームページも多くあります。

複数ブラウザや端末でテストをしっかり行うかどうか、ユーザー視点で見やすいホームページを作るかどうか、制作会社の品質管理体制が問われます。

運用面でのトラブル・負担

修正や更新の遅延

イベントやキャンペーン情報をタイムリーに更新したいのに、制作会社が他の案件で手一杯で対応が後回し…というのはよくある話。とくに日々動きのあるサイト運営を予定している場合は、小さな修正依頼にも素早く対応してもらえるかを確認しておきましょう。

自社で修正できない問題

WordPressなどCMSを導入していても、管理画面から簡単に更新できない仕様になっていたり、操作方法が十分に説明されていなかったりすると自社担当者が扱いきれません。マニュアルの提供やレクチャーがあるかどうかは、運用コストを左右する大事な要素です。

運営費用とコストパフォーマンス

更新や修正ごとに都度費用が発生すると、想定外のコスト負担が積み重なっていく場合があります。さらに、独自CMSなどを使っていると外注先を変えづらく、長期にわたって高額の保守費用を払い続ける羽目になることも。

サーバー・ドメインの管理移管トラブル

制作会社が契約したサーバーを使っている場合、移管に手数料がかかったり、引き継ぎに必要な情報をスムーズに提供してくれなかったりと、トラブルが発生するケースがあります。長期運用を見据えて、所有権を自社で持つかどうか検討が必要です。

コミュニケーション・リテラシーギャップ

制作者用語が難しい

HTML・CSS・JavaScript、SEO、UI/UX、レスポンシブデザイン……。制作会社の説明が専門用語だらけだと、クライアント側が正しく理解できず、誤解を抱いたままプロジェクトが進行する恐れがあります。

完成物を使いこなせない

CMSの管理画面の使い方が分からない、画像のアップロード方法が複雑など、ホームページの運用で戸惑うことも多々あります。引き継ぎ時にしっかり操作方法を教えてもらうかどうかがポイントです。

担当者の退職

納品後に不具合やデザイン崩れなどが見つかった場合、迅速な対応がなければビジネスに支障をきたします。ところが制作会社に連絡をすると、担当者が退職や離職をして不在になっているケースも。引き継ぎがきっちり行われていないことも多々あり、対応に非常に時間がかかる場合もあります。

担当者と連絡を取りやすい関係を築いておくことや、退職時には必ず連絡をもらえるようにしておくことが大事です。

依頼側(クライアント)の準備不足による失敗

目的・目標の不明瞭

「カッコいいホームページを作りたい」「取りあえずWeb上に会社情報を載せたい」程度の曖昧な目的では、出来上がったホームページが何の成果にもつながらないのは当然です。明確なゴール設定をせずに制作をスタートすると、制作会社もデザインや機能の方向性を定められず、消化不良のまま進んでしまいます。

「問い合わせ件数を月に10件増やしたい」「会員登録を毎月20件獲得したい」など、具体的な指標があることで制作会社もターゲットや導線設計をより精密に考えられます。

社内体制の整備不足

クライアント企業の中で、サイト制作の方針決定権や承認フローがはっきりしていない場合、制作会社が提案したデザインや機能に対し、後から突然「経営層の意見で大幅修正!」という事態が起きかねません。そうなると納期も費用も大幅にズレ込み、プロジェクト全体が大混乱します。

また、ホームページは完成してからも更新や情報発信が不可欠です。しかし、社内に誰が担当するのか決まっていない、あるいは担当者が忙しすぎて更新できない…となると、作ったホームページが放置されるリスクが高まります。

ホームページ運用のノウハウ不足

「ホームページを作れば自然に集客できる」と考えてしまうのは誤解です。実際には、SEO対策やSNS運用、Web広告などの施策を並行して行う必要があります。制作会社がマーケティング全般に強ければ頼りになりますが、純粋にデザイン・コーディングのみを請け負う会社も多いため、クライアント自身の学習や取り組みが重要です。

失敗ケーススタディ(“あるある”エピソード)

実際に「ホームページを制作会社に依頼して失敗した」ケースをイメージした5人のエピソードをご紹介します。いずれも“あるある”なパターンで、規模や業種を問わず起こりがちな失敗事例です。事前にこれらのエピソードを知っておけば、同じ轍を踏むリスクを減らせるはずです。

CASE A:社内ニーズを制作会社に共有できなかった(佐藤さん)

▼状況

  • 社内で「Webに詳しいから」という理由だけで佐藤さんが自社のホームページ作成の担当に任命される。
  • 実際には制作やマーケティングの知識は浅く、右も左もわからない状態。

▼何が起きた?

  • 佐藤さんは「ホームページをリニューアルすれば顧客が増えるはず」と楽観的に考え、制作会社に言われるままに大部分を一任。
  • 明確な目標(問い合わせ増・ブランド認知など)を共有しないままスタートし、制作会社も「どの部分を重視すればよいのか」分からないまま進行。
  • 仕上がったホームページは見た目こそ悪くないが、コンセプトや導線設計が曖昧で効果が出ず、社内からも「使いづらい」と不評。

▼問題点・学び

  • 社内での目的共有が不十分だったことが最大の要因。
  • 制作会社に対し「何をしたいのか」「どんな成果を期待しているのか」を明確に伝えないと、ゴールが定まらないまま制作が進んでしまう。
  • Web担当者ひとりに責任を丸投げするのではなく、経営層や現場スタッフの意見も取りまとめたうえで要件定義をすることが重要。

CASE B:安さ重視でフリーランスを選んだが連絡が滞った(鈴木さん)

▼状況

  • 自社商品の通販サイト(ECサイト)を作りたいと考えていた鈴木さん。
  • 予算があまり取れなかったため「格安で受けます」と宣伝しているフリーランスを選択。

▼何が起きた?

  • 当初はレスポンスも早くスムーズに進んだが、フリーランスの制作者が複数案件を掛け持ちし始めたことで、コミュニケーションが突然途絶えがちに。
  • 修正依頼に対するレスポンスが遅れ、納期がどんどん延びる。
  • 追加機能の要望を出したら「これは別料金です」と言われ、最終的に割安とは言えないコストになってしまった。

▼問題点・学び

  • 安価な制作を最優先すると、スケジュールや品質管理が疎かになるリスクがある。
  • フリーランスと契約する場合でも、事前に連絡・納期管理のルールや追加作業の費用を明確化すべき。
  • 結果的にコスト面で得をしたつもりが、むしろ損をするケースも珍しくない。

CASE C:友人価格で依頼したら修正を言いづらかった(田中さん)

▼状況

  • 個人事業を始めたばかりの田中さん。
  • Webデザイナーの友人に「ホームページ、作ってあげるよ」と声をかけられ、ホームページ作成を依頼。

▼何が起きた?

  • 提案されたデザインが田中さんのイメージからかけ離れていた。
  • しかし「安くやってもらっている手前、申し訳ない」という心理が働き、細かい修正依頼を出しにくい。
  • 結局、思ったとおりのサイトにならず、マーケティング的な効果も得られないまま公開してしまい、後から「もっとちゃんと意見を言えばよかった」と後悔。

▼問題点・学び

  • 友人や知人に頼むと費用面ではメリットがあるが、修正や機能追加の依頼が遠慮がちになり、完成度を下げる原因になりやすい。
  • ビジネスとして割り切れるならよいが、個人的関係が絡むと意見を言いづらくなるデメリットがある。
  • たとえ友人価格でも、要件定義やスケジュール、修正範囲などを事前に文書化することが大切。

CASE D:デザイン重視で作ったら成果に繋がらなかった(山口さん)

▼状況

  • コンサルティング会社を経営する山口さん。クライアント向けに高級感のあるホームページに作り直したいと考え、デザインに強い制作会社に依頼。
  • 「見栄えにこだわったサイトを作る」ことに注力し、デザインに時間とコストをかける。

▼何が起きた?

  • 完成したサイトは確かにスタイリッシュだが、問い合わせフォームへの導線が分かりにくいレイアウトに。
  • デザインを優先するあまり、SEOやユーザビリティ、マーケティング視点がおろそかになった。
  • 高額な制作費を投下したにもかかわらず、リニューアル前の「素人っぽい文章中心のホームページ」よりも問い合わせ数が減少してしまった。

▼問題点・学び

  • デザインだけに力を注いでも、ビジネス成果に繋がらないと意味がない。
  • ホームページはあくまでユーザーが「問い合わせする」「商品を購入する」など、行動を起こす場。デザインと同等にマーケティング戦略や使いやすさを考慮する必要がある。
  • 見た目と機能・目的のバランスを適切にとることが重要。

CASE E:独自CMSを作られて更新にコストがかかりすぎる(伊藤さん)

▼状況

  • 自社独自の予約機能や会員管理機能を持たせたいという要望があった伊藤さん。
  • 制作会社から「WordPressでは不十分なのでゼロからCMSを作りましょう」という提案を受け、WordPressなど既存のプラットフォームを使わない完全オリジナル開発を選択。

▼何が起きた?

  • 開発費・工期が当初予定より大幅に増加。
  • 納品後、ちょっとした修正や機能追加でも独自仕様のため他社がメンテナンスしづらく、同じ制作会社に高額の保守費を払い続けなければならない事態に。
  • 結果的に初期・運用合わせて大きな負担となり、ROI(投資対効果)が思うように得られない。

▼問題点・学び

  • 完全オリジナル開発は、自由度は高いがコストやリスクも高い。
  • 将来的に外部パートナーを変えたいと思っても、独自仕様が多いほど乗り換えが難しくなる。
  • 実際は一般的なWordPressなどで実現できる場合も多く、開発費と保守費を抑えられる可能性が高い。

成功するための対策ポイント

失敗ケースを見ても分かるように、ホームページ作成を外部に依頼するには多くのリスクや懸念点があります。以下のポイントだけでも押さえておけば、失敗を大幅に減らすことが可能です。

目的・目標設定の明確化

  • まずは「ホームページを作る本来の目的」を言語化し、制作会社と共有する。
  • KPI(重要業績評価指標)やターゲットを明確にすることで、デザインや機能要件を適切に導き出せる。

制作会社や担当者の実力・相性確認

  • 制作会社の実績やデザインテイストを見るだけでなく、担当者が自社のビジネスや目的を理解しているかチェックする。
  • 必要に応じてマーケティングスキルやSEO対策の実績もヒアリング。

契約書・見積もり内容の精査

  • 著作権の帰属や納品物の形式、保守・更新作業の範囲、追加費用の発生条件をしっかり確認する。
  • 口頭だけでなく文書化し、万が一のトラブルを回避する。

運用体制の確立

  • 自社内で更新担当を明確にし、CMSの基本操作を把握するなど、公開後の運用を回す仕組みを作る。
  • アクセス解析ツールやSNS活用を取り入れ、継続的に改善を行う。

長期的な視点での選定

  • ホームページは短期的にROIが出るものではない場合が多い。
  • 長期的にサイトを育てる覚悟と予算計画を持ち、信頼できるパートナーを見つける。

コストと効果のバランスを考慮

  • 完全オリジナル開発や特殊機能を求めすぎると、初期費用も保守費用も跳ね上がりやすい。
  • 既存CMSやプラグインを活用して目的を達成できるなら、そのほうが費用対効果が高いケースも多い。

まとめ:リスクを理解し、徹底的に準備して成功へ導こう

「ホームページ作成を外部に依頼するときに知っておきたい問題・課題・リスクのすべて」というタイトルでお送りした本記事では、制作会社選びからコミュニケーション、契約や運用に至るまで、さまざまなリスクを網羅的に整理してきました。

そして、実際に遭遇しがちな失敗ケースを5つ挙げることで、より具体的なイメージをつかんでいただけたのではないでしょうか。

ホームページは、ビジネスのオンライン上での「顔」として重要な役割を果たします。しかし、作り方や依頼の仕方を誤れば、時間やコストを浪費するだけでなく、「せっかく作ったのにまったく成果が出ない」という結果にもなりかねません。

そうした事態を避けるためには、本記事で挙げたように:

  • 目的と目標を明確にし、制作会社と共有する
  • 見積もりや契約内容の範囲を細かくチェックする
  • 納品後の運用・保守までを見据えて体制を整える

といったポイントを押さえ、事前に十分なリサーチや情報収集、社内調整を行うことが非常に大切です。

加えて、ホームページ公開後のマーケティング活動(SEO、SNS運用、広告運用など)やコンテンツ更新を継続的に実施できる体制があれば、ホームページがビジネスに貢献してくれるようになるはずです。

リスクをしっかりと理解し、最適な制作パートナーを選び、長期的な視点で運営していくことで、“生きたホームページ”を育てていただければ幸いです。

監修・執筆者について

本記事の監修・執筆者のコナンです。学生時代からホームページ作成に携わり、現在まで28年間にわたってWeb制作・運用の現場にいます。
Webプロデューサー、Webディレクター、Webマーケター、Webデザイナーなど、多彩な役割を担いながら、エンタメ企業やレコードメーカー、広告代理店の社員として、さらには起業後の社長として、さまざまな制作会社やフリーランスのWebデザイナーに仕事を依頼したり、協業してきた実績があります。
こうした実体験を基に、ホームページ作成を依頼する際に起こりがちな問題やリスクを、余すところなくまとめました。

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この記事を書いた人

コナン先生(小南邦雄)
コナン先生(小南邦雄)

Web制作歴・Web運用歴30年(1996年〜)
Webプロデューサー、Webディレクター、Webコンサルタント、Webマーケター、Webデザイナー、講師、AIディレクターなど、さまざまな立場でWeb制作・Web運用に携わる。

Webデザインコンテストでグランプリ受賞、大手企業・有名企業・地方自治体のサイトや広告制作多数、アフィリエイトサイトで1600万円以上の報酬獲得、120万円超のホームページプロデュースが予約2ヶ月待ち、ストアカでは115名を指導し平均評価4.98・ゴールドバッジ獲得などの実績あり。

自社サイト10サイト以上、クライアントサイトを含めると20サイト以上を運用中。

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