「ホームページが表示されません。ログインもできません。助けてください」
この言葉は、知恵袋やSNSで何度も見かけます。しかも投稿しているのは初心者だけではありません。サイトを持っている人なら誰でも、ある日突然この状況になり得ます。
なぜ「助けてください」になってしまうのか。
公開までの全体像が見えていないからです。サーバー、ドメイン、SSL——それぞれが何で、どうつながっているか。分からないまま運用していると、何か一つ崩れたときに手が出せなくなります。
サーバー契約からサイト公開までを1本の流れで書きます。よくあるトラブルと切り分け方も、あわせて書きます。全工程を一度見ておくだけで、パニックになる確率はかなり下がります。
公開までの6工程
サイトを公開するまでに必要な工程は、6つです。順番にやっていけば、抜けが出にくくなります。
工程1|サーバーを契約する
サーバーは、ホームページのデータを置く場所です。自分のパソコンの中にデータがあっても、世界中からアクセスできるようにはなりません。インターネット上に「場所」を借りる必要があります。
日本では、エックスサーバーやConoHa WINGといったレンタルサーバーが主流です。月額1,000円前後から借りられます。年額にすると15,000円程度です。
契約画面では、プランの選択、ドメインの設定、支払い方法の登録を求められます。ここで迷う方が多いので、分からない場合は一緒に進めます。
工程2|ドメインを取得する
ドメインは、サイトの住所です。「example.com」のような文字列がドメインです。
サーバー会社がドメインの取得もセットで提供していることが多いので、サーバー契約のときに一緒に済ませるのが簡単です。
ドメイン名は一度決めたら変えにくいので、ここだけは慎重に。
工程3|ドメインとサーバーを紐付ける
取得したドメインが、契約したサーバーを指すように設定します。「この住所に来たら、このサーバーのデータを見せてね」という指示を入れる作業です。
同じ会社でサーバーとドメインを契約した場合は、自動で紐付けされることがほとんどです。別々の会社で契約した場合は、DNS(ネームサーバー)の設定を手動で行います。
工程4|SSLを設定する
SSLは、通信を暗号化する仕組みです。URLの先頭が「https://」になっていれば、SSLが設定されています。「http://」のままだと、ブラウザに「保護されていない通信」と表示されます。
今はほとんどのレンタルサーバーが、無料のSSL証明書を提供しています。管理画面からボタンひとつで有効にできることが多い。
SSLの設定を忘れると、せっかく公開したサイトに警告が表示されます。お客さんが不安になるので、必ず最初にやっておきます。サイトのセキュリティ対策については別の記事で詳しく書いています。
工程5|サイトのデータをアップロードする
WordPressの場合は、サーバーの管理画面からWordPressをインストールする機能が用意されています。ボタンを押して、サイト名と管理者アカウントを設定するだけです。
HTMLで作ったサイトの場合は、FTPソフト(ファイルを転送するソフト)を使ってサーバーにファイルを送ります。
工程6|表示を確認する
公開したら、必ず確認します。確認するのは3つ。
- パソコンのブラウザで表示されるか
- スマホで表示されるか
- https://で始まるURLでアクセスできるか
この3つが全部OKなら、公開は完了です。
6工程のまとめと所要時間
| 工程 | やること | 目安時間 |
|---|---|---|
| 1 | サーバー契約 | 30分 |
| 2 | ドメイン取得 | 10分(サーバーとセットなら) |
| 3 | 紐付け | 5〜30分(自動なら一瞬) |
| 4 | SSL設定 | 5分 |
| 5 | データのアップロード | 10〜30分 |
| 6 | 表示確認 | 10分 |
全部合わせても、1〜2時間で終わります。ただし、初めてやるときは分からないことが出てくるので、もう少しかかると思ってください。
レッスン中はサーバー・ドメインの心配は要りません
レッスン受講中は、教室で契約しているサーバーとドメインを無料で使えます。最初から自分で契約する必要はありません。
まず安全な環境で練習して、操作に慣れてから、本番のサーバーに切り替える。この順番で進めます。
自分のサイトを公開する段階になったら、新規でサーバーとドメインを契約します。年額15,000円程度の実費です。実費の内訳は月謝以外にかかるお金の話にまとめています。契約の手続きは、一緒に画面を見ながらサポートします。
よくあるトラブルと、原因の切り分け方
トラブル1|サイトが表示されない(真っ白な画面)
まず確認すること:自分のパソコンだけで起きているのか、他の人のスマホでも起きているのか。
自分だけならブラウザのキャッシュ(古いデータの残り)が原因の可能性が高い。キャッシュをクリアするか、別のブラウザで開いてみてください。
他の人も見られないなら、サーバー側の問題です。サーバー会社の障害情報を確認します。WordPressの場合は、プラグインの不具合やPHPのエラーが原因のこともあります。
トラブル2|ログインできない
パスワードが通らないのか、ログイン画面そのものが表示されないのか。ここを先に切り分けます。
パスワードが通らない場合は、パスワードリセットの機能を使います。ログイン画面が表示されない場合は、WordPressの設定ファイルやプラグインの問題を疑います。
トラブル3|「保護されていない通信」と表示される
SSL証明書の期限切れか、設定の問題です。レンタルサーバーの管理画面でSSL証明書の状態を確認し、更新します。無料SSLなら自動更新のはずですが、まれに手動で更新が必要な場合もあります。
トラブル4|ページの表示が崩れている
昨日まで正常だったのに崩れた場合、WordPressやテーマのアップデートが直前に入っていないか確認します。アップデート後に崩れた場合は、テーマやプラグインの互換性の問題です。
トラブル5|メールが届かない
お問い合わせフォームからのメールが届かない。これは非常に多いトラブルです。原因は、サーバーのメール設定、フォームプラグインの設定、迷惑メールフィルターのいずれかです。
トラブル6|容量オーバー
写真やバックアップデータがサーバーの容量を超えると、サイト全体が動かなくなることがあります。不要なファイルを削除するか、画像を圧縮して再アップロードします。
トラブル7|アップデート後に管理画面が動かない
WordPressの本体やプラグインを更新した直後に管理画面が真っ白になる場合があります。プラグインの互換性の問題がほとんどです。
トラブル時にやってはいけない3つのこと
トラブルが起きたとき、やってはいけないことが3つあります。
① 本番環境でいきなり触る
焦って本番のサイトを直接触ると、状況が悪化する可能性があります。まずバックアップを確認してから作業してください。
② バックアップを取らずに更新する
WordPressの更新やプラグインの更新をするときは、必ず事前にバックアップを取ります。更新後に不具合が出ても、バックアップがあれば元に戻せます。
③ 契約情報を記録していない
サーバーのログインID、パスワード、ドメインの管理画面のURL——これらを記録していない人が非常に多い。トラブルが起きたときに、そもそもどこにログインすればいいか分からない。
契約情報の管理台帳は、最初に作っておいてください。記録すべき項目は以下の6つです。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| サーバー会社 | 会社名・管理画面URL |
| サーバーログイン | ID・パスワード |
| ドメイン管理 | 管理画面URL・ID・パスワード |
| WordPress | ログインURL・ユーザー名・パスワード |
| SSL | 種類(無料/有料)・更新時期 |
| 支払い | 契約期間・更新日・支払い方法 |
詰まったときの3段構え
レッスンでは、トラブルが起きたときの対処法も教えます。
①まず確認の手順を踏む——大体はここで解決します。
②それでもダメなら最終手段がある。
③本当にどうにもならないときは、応急処置ですが確実に直る書き方がある。きれいなやり方ではないので後で直す前提ですが、とりあえず先に進めます。
詰まったまま止まるのが、いちばん良くない。
「表示されません」を防ぐために
6工程とトラブルの切り分け方を一度読んでおくだけで、パニックになる確率はかなり下がります。
全部を覚える必要はありません。「こういう工程があるんだな」「こういうトラブルが起きるんだな」と知っておくだけで十分です。実際に起きたときに、「これ、どこかで読んだな」と思い出せれば、冷静に対処できます。
自分では判断がつかないときは、相談できる相手がいれば解決できます。卒業後のサポートについては卒業後に困ったら誰に聞くかで詳しく書いています。
サーバー契約から公開までの全工程を、画面を一緒に見ながら進めます。
「自分の目的に合う学び方が分からない」という方は、何から学べばいい?——目的別の学習ルートも参考にしてください。
契約から公開まで、全部サポートします。一人で契約画面を見て困る必要はありません。
