「せっかく覚えても、使わなくなったら忘れちゃいますよね?」
これは、学び始める前の人も、学び終えた後の人も、同じように口にする言葉です。
正直に答えます。使わなければ忘れます。
HTMLのタグもCSSの書き方もWordPressの操作も、何ヶ月も触らなければ、細かいところは抜け落ちていきます。これは事実です。嘘をつくつもりはありません。
ただ、もうひとつ事実があります。
ゼロには戻りません。
「忘れる」と「できなくなる」は違う
自転車に乗れるようになった人が、5年間乗らなかったとします。久しぶりに乗ったらどうなるか。最初はふらつくかもしれない。でも、初めて乗ったときのように転び続けることはないですよね。
Web制作のスキルも同じです。
CSSの細かいプロパティ名を忘れる。WordPressの管理画面のどこに何があったか思い出せない。でも、「サイトがどう動いているか」「何をすればいいか」の感覚は残っています。
一度理解した構造は消えません。手順を忘れても、「こういうことをすればいいはず」という方向感覚が残る。だから、調べれば思い出せる。ゼロから学ぶのとは、かかる時間がまったく違います。
30年間、やめようと思ったことがない
私は30年間、Web制作をやめようと思ったことが一度もないんです。
天職に近いですね。成果が出た時のガッツポーズが、30年分あります。
ただ、これは「休まず走り続けた」という意味ではありません。
30年の間に、技術は何度も大きく変わりました。テーブルレイアウトの時代、FLASHの時代、そしてWordPressの時代。いつも学ぶことが多くて大変だったけど、楽しかった。
でも、ツールが消えたこともあります。
DreamweaverとFireworksというソフトを、私はずっと愛用していました。特にFireworksは、Web制作に特化した画像編集ツールで、私にとって右腕のような存在でした。
そのFireworksが、Adobeに買収された後、開発終了になりました。
右腕を失うぐらいのダメージでしたね。
でも、消えたのはツールであって、ツールを使って何をするかの知識は消えていません。別のツールに移行しても、目的は同じだから、すぐに使えるようになります。
スキルの本体は、ツールの操作ではなく、考え方の方にあるんです。技術がどう変わってきたかは別に書いていますが、道具が変わっても考え方は残る、というのがポイントです。
維持のための小さな仕組み
「忘れない」ために必死に練習し続ける必要はありません。小さな仕組みを1つだけ持っておけば、スキルは自然に維持されます。
いちばん簡単な方法を書きます。
自分のサイトを1つ持ち続ける
これだけです。
仕事のサイトでなくて構いません。趣味のサイトでも、日記でも、好きなもののまとめでも。自分のサイトが1つあるだけで、触る理由が生まれます。
そして、月に1回だけ更新する。
大きな変更でなくていいんです。ブログを1本書く。写真を差し替える。文章を少し直す。それだけで、WordPressの操作も、HTMLの感覚も、忘れずに済みます。
月に1回。年に12回。これなら、忙しい人でもできます。
自分のサイトを”実験場”にする
もう少し積極的に使いたい方は、自分のサイトを実験場にしてください。
新しいプラグインを試す。デザインを少し変えてみる。AIを使って記事を書いてみる。レイアウトを1ヶ所だけいじってみる。
仕事のサイトではできない冒険が、自分のサイトならできます。失敗しても誰にも迷惑がかかりません。そして、その実験が次の仕事に活きる。
私自身、自社のサイトとクライアントのサイトをあわせて20以上運用していますが、新しい手法は必ず自分のサイトで先に試します。
ブランクがあっても、戻れる
「昔少し勉強したことがあるんですけど、何年も触ってなくて…」
こう言って相談に来る方がいます。
安心してください。何年もブランクがあっても、一度学んだ人と、まったく初めての人では、スタート地点が全然違います。
HTML がどういうものか知っている。CSSの仕組みを一度は理解した。その土台がある人は、思い出す作業で済みます。ゼロから覚える作業とは負荷がまるで違うんです。
しかも今は、AIがあります。
「このCSSの書き方を忘れたんだけど、こういうことがしたい」と日本語で伝えれば、AIが書いてくれます。忘れた部分をAIが補ってくれる時代になりました。
ここ数年でWeb制作の技術は落ち着いてきていて、あまり新しく学ぶことがなくなっています。だから、今のうちにまとめて身につけてしまうのは、良いタイミングだと思います。CursorやClaudeなどのAIツールを活用すれば、ブランクの間に広がった差を、一気に取り戻すこともできます。
仕事にしなくても、持ち続ける価値
スキルの維持というと、どうしても「仕事に使い続けるかどうか」の話になりがちです。
でも、Web制作のスキルは、仕事にしなくても持っていて損はありません。
- 自分のお店や会社のサイトを、業者に頼まず自分で更新できる
- 子どもの学校のPTA、地域の活動で「サイト作れる人」として頼りにされる
- 知人や家族に頼まれたとき、さっと作ってあげられる
- 自分の好きなことを発信する場所を、いつでも自分で作れる
「作れる」という状態を維持していることは、それ自体が力です。
卒業後も、つながりは続きます
私の教室では、レッスンが終わった後も、先生と生徒の関係は続きます。
何かあれば、いつでもLINEやメールで連絡してください。
久しぶりに触ろうとしたら操作が分からなくなった。新しいことをやりたいけど調べ方が分からない。そういうときは、スポットレッスン(50分9,000円+税)で一緒に解決します。状況によっては、緊急対応や深夜対応もします。
卒業したらもう聞けない、ということはありません。卒業後のサポート体制についても詳しく書いています。
スキルは使わなければ忘れます。でもゼロには戻らない。そして、忘れた部分を補ってくれる人がいれば、いつでも戻れます。
「自分の目的に合う学び方が分からない」という方は、何から学べばいい?——目的別の学習ルートも参考にしてください。
卒業後も続けられる形をご用意しています。まずは体験レッスンで、学び方そのものを確かめてみてください。
