「ホームページを作ってもらったところが多忙で対応不可の状態です。文面を変えたいだけなのに」
零細企業の経営者の方からの相談でした。こういうケースは珍しくありません。
もう一つ、よくあるのは——
「更新費用が毎月かかっていて、年間にすると結構な金額になるんですが、これは普通なのでしょうか」
どちらも、よくある状況です。そして、どちらにも解決策があります。
小さな更新は、制作会社にとって割に合わない
制作会社が更新の依頼に対応しづらいのには、構造的な理由があります。小さな更新は、採算が合わないからです。
文章を1行変える。写真を1枚差し替える。——作業としては10分で終わることもあります。でも、連絡を受けて、確認して、修正して、チェックして、本番に反映して、完了の報告を送る。この一連の工程にかかる時間と手間は、作業時間の何倍にもなる。
10分の作業に1時間かかって、請求できるのは数千円。これが積み重なると、制作会社側も対応する余裕がなくなります。
対応しきれないのは、不誠実だからじゃありません。構造上、小さな更新の依頼は制作会社にとって負担が大きいんです。
年間でいくら払っていますか
ここで、一度計算してみてください。
更新費・保守費として毎月いくら支払っていますか。
仮に月1万円の保守費だとすると、年間12万円。月2万円なら年間24万円。月3万円なら年間36万円。
3年続けると、月1万円でも36万円。月3万円なら108万円です。
この金額で、どのくらいの更新をしてもらっていますか。月に1回の文章修正と、たまにある写真の差し替え。それだけなら、自分でできるようになった方が合理的かもしれません。
もちろん、保守費にはサイト全体の管理やセキュリティ対応が含まれている場合もあります。契約内容を確認してください。何に対していくら払っているのかが、はっきりしていないケースが意外と多いんです。
全部を自社でやる必要はありません
誤解しないでください。「制作会社をやめて全部自分でやりましょう」と言いたいわけじゃないんです。
大規模なリニューアルや、デザインを根本から変えるような作業は、プロに任せた方がいい場面もあります。セキュリティの管理や、サーバーのトラブル対応も、専門的な知識が必要です。
ただ、「文章と写真の差し替えだけ自分でやる」——これができるだけで、状況はかなり変わります。
毎月の更新費用の大半が消えるか、大幅に減る。修正したいと思ったその日に、自分で直せる。制作会社の対応を待つ必要がなくなる。
「必要なときにプロに頼み、日常の更新は自分でやる」——この使い分けが、いちばん合理的だと思っています。
発注する側にも、知識が要る
私は制作会社としてクライアントのサイトを作る側の人間でもあります。自分が外注する場合は、サイト制作全体のプロデュースを自分がやりながら、デザインはプロのデザイナーに、ライティングはプロのライターに依頼します。
なぜそうするかというと、丸投げでは成果が出ないことを知っているからです。目的やKPI、KGIという目標もきちんと伝えるし、成果が出るようにディレクションもする。
これは制作会社に限った話ではありません。発注する側に知識があるかどうかで、成果は変わります。
「お任せで」と丸投げして、出てきたものに「イメージと違う」と言う。これでは、お互いに不幸です。何をどう変えてほしいのか、なぜそうしたいのか。それを言語化できるだけで、やりとりの質が変わります。業者に頼むか自分でやるかの判断については、業者か自作かも参考にしてください。
自分で更新できるようになった40代男性の話
40代の男性が、まさにこの状況で相談に来ました。
外注した自社ホームページがある。でも、自分では触れない。更新が必要なたびに制作会社に依頼して、費用がかかる。自分で更新できるようにならないか、と考えたそうです。
レッスンの結果、この方は自分で更新できるようになりました。必要なページも自分で追加できるようになった。
さらに、制作会社に見積もりを取ると60万円と言われた別のサイトも、自分で作ってしまいました。(詳しくは元が取れるかの話で書いています)
外注するストレスがなくなった。コスト削減にもなった。「経営者や自営業の方は身につけておくべきスキルだと思います」と、この方は言っています。
自社更新に切り替える手順
「自分で更新したい」と決めたら、やることは3つです。
① 権限を受け取る
サーバーのログイン情報、WordPressの管理画面のIDとパスワード、FTPの接続情報。制作会社に「更新は自社で行います」と伝えて、必要な情報をもらいます。
② バックアップを覚える
何か間違えても元に戻せるように。バックアップが取れれば、安心して触れます。怖いのは、元に戻せないこと。元に戻せると分かれば、恐怖は消えます。
③ 触っていい範囲を決める
いきなり全部を自分でやる必要はありません。まずは文章の修正と写真の差し替え。慣れてきたらページの追加。少しずつ範囲を広げていけばいい。
制作会社と円満に移行するには
「更新を自社に移します」と伝えるとき、気まずい思いをされる方がいます。
喧嘩する必要はまったくありません。
伝え方としては——
「日常的な更新は社内で対応したいので、必要な情報をいただけますか。デザインの変更や大きな修正は、引き続きお願いしたいと考えています」
これだけで十分です。制作会社も、小さな更新の対応から解放されるので、お互いにとって良い形になることが多いんです。
サイトのトラブルが起きたとき、制作会社に連絡がつかなくて困った、という相談もあります。深夜にサイトが表示されなくなった。翌朝クライアントとの打ち合わせがある。制作会社は営業時間外で対応できない。——そういうときに相談できる相手がいると、安心です。(トラブル対応の相談については公開後のトラブル対応で書いています)
自分で更新できるようになるまでの期間と費用
目の前のホームページを自由に更新できるようになる講座は、最短4回・1ヶ月・66,000円〜。
WordPressの管理画面の使い方だけ分かれば良い方は、4回で終わることもあります。デザインの調整やページの追加もやりたい方は、もう少し回数がかかります。
年間の更新費用と比べてみてください。月2万円の更新費を払っているなら、3ヶ月分で講座の費用が出ます。そしてその後は、自分でできるようになる。
今の契約内容を見せていただければ、どこまで自社でできるか診断します。
「自分の目的に合う学び方が分からない」という方は、何から学べばいい?——目的別の学習ルートも参考にしてください。
