「何を書けばいいか分からない」
ホームページを作ろうとして、いちばん手が止まるのがここです。デザインでもコードでもなく、文章。特にトップページの最初に出てくるキャッチコピーとリード文。
お店のこだわりを書こうとすると「こだわりの〇〇」みたいなありきたりな言葉しか出てこない。かといって、気の利いたコピーを考える才能もない。
書けない原因は、語彙力でも文章力でもありません。
「誰に、何を言うか」が決まっていないからです。
文章が書けない本当の理由
自分の商売やサービスのことを、友だちに口で説明するときは、ちゃんと説明できますよね。聞かれたら答えられる。
それなのにホームページの文章になると書けなくなる。なぜか。
口で話すときは、相手が目の前にいるからです。相手の反応を見ながら、相手に合わせて言葉を選んでいる。
ホームページの文章を書くときは、相手がいない。「誰に向けて書くか」が決まっていないまま、白い画面に向かっている。
だから書けなくなるんです。
語彙力の問題ではありません。相手が決まっていないのに言葉を選べないのは、当たり前のことなんですよね。
制作の現場でやっていること
私がクライアントのホームページを作るとき、最初にやることはデザインでもコーディングでもありません。
こういう順番で考えます。
- 誰が来るのか——このサイトを見に来る人はどんな人で、どんな悩みや課題を持っているか
- その中で一番来てほしい人は誰か——全員に向けて書くと、誰にも刺さらなくなる
- その人にとっての価値は何か——「この商品はすごい」ではなく、あなたにとってどんな効果があるか、どう変われるか
- 競合と比べてどう見えるか——一番来てほしいお客さんの視点で見たときに「一番合ってそう」と思われるか
- 最初の3秒で何を伝えるか——開いた瞬間に、「自分向けだ」と分かるか
- 読み進めたくなるか——見出しの大きな文字だけをざっと見ても、魅力が伝わるか
- 申し込みたくなる流れになっているか——読み進めるうちに気持ちが盛り上がって、申し込みボタンを押したくなる設計
キャッチコピーが決まるのは、5番目です。1〜4を先にやらないと、5番目の言葉は出てきません。
多くの方が、いきなり5番からやろうとします。だから手が止まるんです。この1〜4の考え方は、集客できるホームページの土台にもなります。
AIに丸投げしても、ふわっとした文章しか出ない理由
「AIにキャッチコピーを考えてもらえばいいのでは」と思うかもしれません。
やってみると分かりますが、AIに「うちのお店のキャッチコピーを考えて」と頼むと、どこにでもありそうな、当たり障りのない文章が出てきます。
なぜかというと、AIは1〜4の情報を持っていないからです。誰に向けるのか、その人はどんな悩みを持っているのか、競合とどう違うのか——こちらが伝えない限り、AIには分からない。
だから、AIへの指示は具体的に出す必要があります。
たとえば、こんなふうに書きます。
AIへの指示の例
東京都内の自宅ネイルサロンのトップページです。見に来る人は、爪が薄くて割れやすく、ジェルネイルを何度も諦めてきた人。一番来てほしいのは、「本当はジェルを楽しみたいのに、自分の爪では無理だ」と思っている30代の女性です。その人にとっての価値は、爪のことを気にせず好きなネイルを楽しめるようになること。大手サロンや安い個人サロンでは、爪の弱さを相談しても「じゃあジェルはやめましょう」と言われてきた。ここは爪の弱さに特化しているから、「この人なら分かってくれそう」と思える。最初の3秒で「自分向けだ」と分かるキャッチコピーを5案出してください。
こう書くと、AIの出力は別物になります。「誰に何を伝えるか」が決まっているからです。
AIの回答の例
①爪が薄くて、ジェルネイルを諦めているあなたへ。
②「私の爪じゃ無理」と、もう諦めなくていい。
③本当は、もっとジェルネイルを楽しみたい。
④「爪が弱いなら、ジェルはやめましょう」と言われてきたあなたへ。
⑤爪のことを気にせず、好きなジェルネイルを楽しみたいあなたへ。
AIは下書き役です。出てきたものをそのまま使うのではなく、自分の言葉で直す。この「直す工程」がいちばん大事なんですが、その話はAIチームのディレクターになるという考え方で詳しく書いています。
書いた文章が伝わっているかの確認方法
文章を書き終えたあと、3つだけチェックしてみてください。
1. 声に出して読む
自分で声に出して読んだとき、つっかえる場所があれば、そこは読者もつっかえます。直したほうがいい。
2. 商売を知らない人に見せる
家族でも友人でもいいです。商売の内容を知らない人に見せて、「何屋さんか分かる?」「魅力が伝わる?」と聞く。分からなければ、伝わっていません。
3. スマホで見る
パソコンで書いた文章は、スマホで見ると印象が変わります。文字が小さくなって読みづらい。改行の位置がズレる。スマホで読んでみて、3秒で「自分向けだ」と分かるかどうか。スマホでの見え方が気になる方は素人っぽいサイトの原因と対策もあわせて読んでみてください。
この3つで引っかかったら、書き直した方がいい。
文章の才能がなくても、伝わる文は書ける
ここまで読んで気づいたかもしれませんが、ひとつも「上手な文章の書き方」の話をしていません。
上手に書く必要はないんです。飾りの言葉もいりません。
必要なのは、「誰の、どんな悩みを、どう解決するか」を決めること。それさえ決まれば、文章は自然に出てきます。
私はサイバーエージェントにいた頃から、ずっと構成案を作る仕事が一番得意でした。キャッチコピーを考えて、リード文を考えて、最初の画面で興味を持ってもらう。読み進めたくなる流れを設計する。
みんなに「いつも構成案を作ってるね」と笑われていましたが、構成が決まれば文章は後からついてくる。そういうものだと思っています。
誰に何を伝えるか
「誰に何を伝えるか」はあなたが決めた方が良いです。
あなたの商売のことをきちんと分かっている人が決めないと、伝わるものになりません。
ライターに丸投げしても、制作会社に丸投げしても、AIに丸投げしても、あなたの商売のことを分かっていない人には、曖昧なことしか言えないからです。
クライアントに代わって「誰に何を伝えるか」を私が決めることも多いですが、その場合は、クライアントと何時間もお話をして、クライアントの商売を全て理解した後です。
コピーライティングはAIと一緒に学ぶのが効率的です
キャッチコピーの作り方や文章の書き方は、AIの使い方と一緒に学ぶのがいちばん効率がいいと思っています。AIに下書きをさせて、自分の言葉に直す。この流れを練習すると、文章への苦手意識はかなり消えます。
コピーライティングは、ジャンプアップコースで扱っている内容のひとつです。社長さん向けの講座(全24回・6ヶ月)でも、文章の作り方は重点的に時間をかけます。
「自分の目的に合う学び方が分からない」という方は、何から学べばいい?——目的別の学習ルートも参考にしてください。
文章が書けないのは、あなたの問題ではありません。「誰に何を」を先に決めれば、言葉は自然と出てきます。
体験レッスンで、コピーライティングの基本を学んでみることもできます。
