「どのスクールが良いのか分からない状態です」
教室を比べるとき、たいていの人はカリキュラムや料金を見比べます。もちろん大事です。でも、それよりも先に確認すべきことがあります。
教えている人が、今も現場で作っている人かどうか。
講師が現役かどうか、確認していない方がかなり多いんです。
「教えるのがうまい人」と「作るのがうまい人」は違う
世の中の教室やスクールの講師には、大きく2種類います。
ひとつは、教えることが本業の人。教材を作り、授業をすることが仕事です。何年か前に現場で制作していた経験をもとに教えている。
もうひとつは、今も現場で作っている人。制作の仕事の合間に、教えている。
どちらが正解、という話ではありません。ただ、違いがはっきり出る場面があります。
違いが出るのは「教科書の外」
教科書に書いてある通りのことを教えるなら、正直、どちらでも大差はありません。HTMLのタグは変わらないし、WordPressの操作も同じです。
差が出るのは、教科書に載っていない部分です。
たとえば、こういう質問をしたとき。
- 「このレイアウト、iPhoneで見ると崩れるんですが、どう直しますか」
- 「AIで作ったコード、なんか動くけど、これで本当にいいんですか」
- 「クライアントに見積もりを出すんですが、この金額で妥当ですか」
現場で毎日作っている人は、先週ぶつかった問題の話をしながら答えます。教えることが本業の人は、一般論を返すしかありません。違いは、話の鮮度に出ます。
体験レッスンで聞くべき5つの質問
教室を検討しているなら、体験レッスンで次の5つを聞いてみてください。答え方で、かなりのことが分かります。
質問1|「直近で作ったサイトを見せていただけますか」
現役で作っている人は、すぐ見せられます。「守秘義務があるので」と言いつつも、別の自分のサイトを出してくれたりします。見せるものがない場合は、現場から離れている可能性があります。
質問2|「今、制作で何のツールを使っていますか」
これは正直、答えの中身より答え方を見てください。現場にいる人は、ツール名がすらすら出ます。しかも「先月から◯◯に切り替えた」のように、変化の話が入ります。情報が止まっている人は、数年前の定番ツールだけ挙げます。
質問3|「苦手な領域はどこですか」
これは意地悪な質問ではなく、正直さを見る質問です。30年やっていても、苦手はあります。私の場合、デザイン力ではプロのデザイナーに敵わないと思っていた時期が長かったです。最近はAIを活用した制作でその弱点を補えるようになりましたが、それでも得意ではありません。
「苦手はありません」と言う講師は、少し注意してください。
質問4|「卒業した方は、今どうされていますか」
できれば具体的に聞いてください。「活躍されています」ではなく、どんな仕事をしているのか、どんなサイトを作っているのか。実例が出てくるかどうかです。
質問5|「私の目的だと、この教室は合っていますか」
これがいちばん大事かもしれません。自分の商売にとって不都合なことを、正直に言えるかどうか。「合っていないかもしれない」と言える講師は信用できます。全員に「大丈夫ですよ」と言う講師は、あなたのことを見ていません。
実績は「数」より「中身」を見る
プロフィールに実績が並んでいる講師は多いです。でも、見るべきは数ではありません。
誰のどんなサイトを、どういう課題で作ったか。
「大手企業のサイトを制作」と書いてあっても、そこで何をしたのかが書いていないなら、判断材料になりません。ディレクションしたのか、デザインしたのか、コーディングだけしたのか。役割で、実力が全然違います。
私自身の実績を書きます。
制作歴は30年です。大手企業、自治体、アイドル、声優、ミュージシャンのサイトを作ってきました。エイベックス主催のWebデザインコンテストでは、一次審査を通過した218人の中からグランプリをいただきました。アフィリエイトサイトで月40万円以上の報酬が出た時期もあります。ストアカでは115人に指導して、平均4.98の評価でゴールドバッジを獲得しています。
ただし、教室としてはこれから本格始動なので、お伝えできる生徒さんの実績はまだ多くありません。まだ人数が少ないので、参考程度に。その代わり、全部お見せします。
講師のプロフィールで注意すべきこと
曖昧な表現が多いプロフィールは、少し立ち止まってください。怪しい広告の見分け方も参考になります。
- 「多くの企業サイトを手がける」——何社ですか。何のサイトですか
- 「現役Webデザイナー」——直近でいつ何を作りましたか
- 「業界歴◯年」——そのうち、実際に作っていたのは何年ですか
厳しいことを言うようですが、プロフィールの飾り言葉に惑わされると、入ってから「思っていたのと違う」となります。
ある生徒さんが、こう言ってくれたことがあります。
「通常、これだけの実績を持っていて、現役で忙しくお仕事をしている方から直接指導を受けられることはありません。」
これは嬉しい言葉でしたが、同時に考えさせられました。そうなんです。現役で忙しい人は、教える時間がない。だから教える専業の講師が多くなる。構造の問題なんです。
講師が教え始めた経緯を見る
講師がどういう経緯で教える側に回ったか。教え始めた経緯に、教え方の質が出ます。
私の場合はこうでした。
まず、周囲から「ホームページで成果が出ないんだけど、どうしたらいい」と相談されることが増えました。サイトを見れば、問題点はだいたいすぐ分かります。アドバイスをしたら「分かりやすい」と喜ばれて、実際に成果が出るようになった。
次に、社長さんから「うちの社員に教えてほしい」と頼まれるようになりました。20時間のレッスンプランを組んで教えたら、社員の方たちが「分かりやすい」と言ってくれた。そこで初めて、自分が教えるのが得意だと気づきました。
そしてコロナ禍で、ストアカに登録してみた。自分の教え方が本当に評価されるかどうかを、試してみたかったんです。
つまり、教室を作ろうと思って作ったのではなく、教えてほしいと頼まれ続けた結果、教室になった。この順番です。
5つの質問を、そのまま使ってください
この5つの質問は、どの教室の体験レッスンでも使えます。私のところでも、他のところでも。
答えを聞いて、比べてください。教室を比較するためのチェックリストも用意していますので、あわせて参考にしてください。
聞きづらいと思う方もいるかもしれません。でも、まともな講師なら、こういう質問をされたら嬉しいはずです。自分のことをちゃんと知ろうとしてくれている、と感じるので。
嫌な顔をする講師がいたら——それも、ひとつの判断材料です。
「自分の目的に合う学び方が分からない」という方は、何から学べばいい?——目的別の学習ルートも参考にしてください。
この5つの質問を、体験レッスンでそのまま私にぶつけてください。全部、正直にお答えします。
