「会社でホームページを作れと言われました。外部に頼んで頼りっきりでいくのか、自分らで作るのか」
「業者に見積もりを取ったら、思ったより高かった。自分で作るのは無理ですか」
こういう相談が、本当に多いです。
答えだけ先に。業者に頼むのが間違いなんじゃない。丸投げするのが問題なんです。
制作会社の仕事は、サイトを「作ること」です
制作会社に頼むと、きれいなサイトは上がってきます。事実です。デザインのプロなので、見た目はしっかり仕上がります。
ただ、制作会社の仕事は、基本的にそこまでなんですよね。ホームページが公開された時点で、仕事は終わっています。
制作会社が手を抜いているわけじゃありません。構造の問題です。デザインして、コーディングして、納品する。ここまでが契約の範囲であり、彼らの本業です。
問題は、サイトが公開されてからの方が長いということです。
見えにくいコスト、見えていますか
制作会社に頼んだとき、最初の見積もりには制作費しか載っていません。
でも、実際にかかるお金は制作費だけじゃないんです。
- 文章や写真を差し替えたい → 更新費がかかる
- ページを追加したい → 都度見積もりが必要
- ちょっとした修正でも、連絡して、見積もりを待って、作業してもらう
こういうコストが、何年も積み上がっていきます。更新費が積み上がる仕組みについては、更新費が高いと感じたら読む記事でも書いています。
しかも、お金だけの話ではありません。「ここを直したいのに、業者の返事を待たないといけない」というストレスは、地味ですが大きい。
商売のタイミングは待ってくれません。キャンペーンの告知を出したいとき、新メニューを載せたいとき——自分で触れないサイトは、ビジネスの足を引っ張ることがあります。
業者に頼んだ方がいい場合も、あります
こういう場合は、業者に頼んだ方がいいです。
- 社内にサイトを管理する人が誰もいない、かつ今後も置く予定がない
- デザインに明確な要件がある(たとえばブランドガイドラインが決まっている)
- 大規模なシステム開発が含まれる(予約・決済・会員管理など)
プロに任せるべき領域は、確かにあります。制作会社はそのためにいます。
丸投げでは成果が出ない、という現実
では、なぜ「業者に頼んだのに効果がない」という声が絶えないのか。
私自身、事業者として外注する場合は、サイト制作全体のプロデュースをしながら発注しています。目的やKPI、KGIという目標もきちんと伝えるし、成果が出るようにディレクションもする。
丸投げをするような依頼をすることはないです。それでは成果が出ないことを知っているからです。
ざっくり言うと、業者に頼むこと自体は問題じゃない。問題は、発注する側が「何をどうしてほしいか」を自分の言葉で伝えられないことです。
40万円でホームページを作るなら、40万円以上の価値のある成果が出ないといけません。それなのに、目標を決めずに進めてしまうと、関係者の関心は見た目に向いてしまう。「かっこいいサイト」はできても、問い合わせは来ない。
自分で作る最大の利点は、費用の節約ではありません
自分で作れば制作費がかからない。それはそうです。
でも、私がいちばん伝えたいのは、費用の話じゃないんです。
商売をいちばん分かっている人が、直接発信できること。これが最大の利点です。
お客様がどんなことで困っているか。自社の商品のどこが他と違うのか。なぜその価格なのか。それを知っているのは、社長であり、現場の人間です。
制作会社のヒアリングシートに書ける情報には、限界があります。本人が直接サイトに手を入れられるなら、伝えたいことを、伝えたいタイミングで、自分の言葉で発信できます。
実際に、私の生徒さんで40代の経営者の方がいます。制作会社に見積もりを取ったら60万円と言われた旅館業のホームページを、講座を受けて自分で作れるようになりました。その後、イベントのホームページも自分で作られています。
その方はこう言っていました。
「経営者や自営業の方は身につけておくべきスキルだと思います。」
費用が浮いたことよりも、自分で手を動かせるようになったことを価値として語っていました。
学ぶ価値がある人の条件
自分で学ぶ価値があるのは、こういう方です。
- サイトの更新や修正を、自分のタイミングでやりたい人
- 自社の商売を、自分の言葉でサイトに反映したい人
- 業者に頼む場合でも、何を伝えるべきか分かっていたい人
- サイトの公開後も、育てていきたいと考えている人
逆に、上に書いた「業者に頼んだ方がいい場合」に当てはまる方は、無理に自分でやる必要はありません。正直に言って、大規模なシステム開発を学ぶために何ヶ月もかけるなら、プロに頼んでください。
今はAIがある——本業と両立できます
「自分で作る」と聞くと、何ヶ月もパソコンに張りつくイメージがあるかもしれません。
今は違います。
AIを使えば、文章のたたき台を作ったり、レイアウトの候補を出したり、コードの修正を手伝わせたりできます。具体的なツールについてはCursorやClaudeでホームページは作れるかで書いています。本業をやりながら、必要なことを大事な順番で学んでいけば、4〜6ヶ月で形になります。
全部をひとりで抱える必要はありません。AIに任せられる部分は任せて、商売の判断は自分でやる。その組み合わせが、今いちばん現実的なやり方だと思っています。
「業者か自分か」は二択じゃない
最初の質問に戻ります。「業者に頼むか、自分で作るか」。
実は、二択じゃないんです。
自分で基本的な更新や修正ができるようになったうえで、必要なときだけプロに頼む。そうすれば、丸投げにならない。何をどうしてほしいか、自分で考えて伝えられる。
業者と対等に話ができるようになること。それ自体が、学ぶ意味のひとつだと思っています。自分で作るか業者に頼むかの判断軸については、元が取れるかどうかの考え方も参考になります。
まだ迷っている方へ
新規で作る場合でも、すでに業者に頼んだサイトがある場合でも、どちらでも構いません。体験レッスンで状況をお聞かせください。頼んだ方がいい場合は、そうお伝えします。
社長さん・経営者の方には、社長さん向けホームページ作成講座(全24回・6ヶ月)があります。すでにサイトがあって更新だけできるようになりたい方は、目の前のホームページを自由に更新できるようになる講座(全4回・1ヶ月〜)もあります。
「自分の目的に合う学び方が分からない」という方は、何から学べばいい?——目的別の学習ルートも参考にしてください。
業者に頼むか自分でやるか、決まっていなくて構いません。体験レッスンを「方針を決める場」としてお使いください。
